たまりかねた俺は、青筋立てて抗議した。

平桔平

こんな調子じゃ命がいくつあっても足りないですよ! 身の安全があるのならともかく、俺は何の超常能力も持たない一般人なんすから! いざとなったら出るとこ出て、力ずくでもここから解放してもらいますからね!

口外厳禁とは言われたが、逆に考えれば、こちらの暴露を恐れている証拠だ。

その弱みを逆手にとって俺は堂々と闘う姿勢を見せるが、先生は頬杖をついて儚げに視線を斜め下へ落とす。

柊瑞穂

困ったわ。本気でそんなことを考えているというのなら、きっと明日の今頃には不慮の事故でバラバラになった平君の死体が路傍(ろぼう)に転がっているかもしれないわね

平桔平

な、なに……!?

さらりと告げられた抹殺宣言に血の気が急速に失せていく。

どうやら反乱を企てた者は、原形すら留めることは許されないらしい。


計り知れない国家権力の闇に絶望する俺の肩に、先生が柔らかく手を置いた。

柊瑞穂

それじゃ、今日から通常授業だけど頑張ってね。解放については、あなたが機密を守れると判断した時に、上の人達が一考してくれると思うわ

平桔平

……頑張らせて、いただきます……

逃げられない。
助けも呼べない。


にこやかな表情の先生とは反対に、俺は暗澹(あんたん)たる気分だった。

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20|二日目 罪難多発―さいなんたはつ―

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