私の生い立ちは複雑。
父は実父、母は養母。

父が愛人に産ませた子を
母が引き取り育ててくれた。

つまり、私の実の母は父の愛人。

その後彼女はシレっと
若い男と
普通に結婚していったそう…
その後の消息は知らない

私はそれを知らずに育ったけれど
母は辛かったと思う。

自分の愛する夫がよそで女作って
そこで出来た子を育てる…って。
並の精神じゃできないと思う。

ところが、
母は私を憎いと思った事は一度もないと、、
大人になって尋ねた私に言った
ずっと最期まで、私を愛してくれていた

私にとっての母は
一人だけだと胸を張って言える
母は凛としてカッコ良い人だった
今思うと…やっぱり凄いな。

幼い頃から
家は住み込みの家政婦さんがいて
ご近所でもそんな家は珍しく
とても裕福だった

好きな場所は父の膝の上
お気に入りの時間は母との散歩
幸せだった

複雑な家庭だったかもしれないけど
たぶん誰よりも幸せな幼少期を送ったと思う。
感謝しかない

でも、業は背負っている
今になって思う。

妻を裏切り、よその女に子供を産ませた父の罪
人の夫を寝取って子供を産み、
その妻を苦しめた実母の罪
それらの業を私は背負っているのだと。

そんなものは無いの…
大丈夫だからね

母はそう言っていたけど
やっぱりある気がする

だって私、
サレ妻になっちゃったし…

今、結構辛いし

せめて、子ども達にだけは
それがいかないように
私が絶対完結させなきゃね

大丈夫
私の99%は母でできている

必要なものはすべて
私の中にある

絶対負けなかった母
そんな母に育ててもらった

奔放な男を愛し、きっと苦しんだと思うけど
そんなのカケラすら見せなかった

最期まで添い遂げたのは母
晩年はとても良い夫婦だった

だから、私
負ける気がしない

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