夫は言った。
「愛情があるって言ったところで、実母は絶対に引き取らない。そんな女じゃない。だから嫌なんだ。連絡も取りたくない。」
でも、私にはそう感じなかった。
愛情はあるって言っていたし、考えると言ってくれた。
実母なんだもん、安心ではないか。
愛情があるんだもん、私と暮らすより絶対幸せになれる。
何度も夫と話し合いをした。
「分かった。じゃあ、連絡してみるよ。でも、実母は絶対に引き取るなんて言わないから。」
夫はそう言った。
そして、継子の実母に連絡してくれた。
実母は言った。
「本当は愛情はない。
だから育てられない。
可愛いと思うけど、友達の子供に対して思う感情と同じ。
一緒に暮らすのは無理。
私にも生活がある。
あなた達は○○を捨てるんですか?
(捨てたのもお前だし、育ててないのもお前と突っ込みたい。私の心の声。)
新しいお母さんは(私の事)は自分の子供じゃないなら捨てていいって事ですか。
何と言おうか無理。」
という事で実母は本当は愛情はなかったそうだ。
私には愛情あるって言ったやん。考えるって言ったやん。
「だから言ったろ。そんな女なんだって。」
夫はムスッとしていた。
傷付いたんだと思う。
自分の子が母親にそこまで拒絶されて傷付いたんだと思う。
私も傷付いた。
継子の事は嫌いなのに、継子がそこまではっきり拒絶されると悲しかった、かわいそうだと思った。継子は実母に何の迷惑もかけていないし、何も悪い事していないのに。
実母は本当に迷惑そうだったそうだ。
継子が不幸になっても私には関係ない事。と言っていたそうだ。
本当に愛情がないのかどうかは実母にしか分からない。
そうやって吹っ切る事で彼女は新しい人生を歩んでいったのかもしれない。
そもそも、産んですぐから愛情はなかったのかもしれない。
彼女の事は誰にも分からない。
私は継子が嫌いなのに、いつの間にか誰よりもお母さんになってるんだと…そう思った。
嫌だけど事実なのかもしれない。
継子にはお母さんはいない。
少なくとも私が思っているような母はいなかった。
継子が幸せになれるかも。
私も継子から解放されるかも。
そんな望みは絶たれた。
書いていて改めて思う。
みんな自分勝手だ。
自分の事が1番大切。
でも、自分を1番大切に考える事は悪い事ではない。自分を守れるのは自分しかいない。
でも、私は自分の産んだ子は自分よりも大切な存在だ。間違いなくそう言える。
でもきっと世の中にはそうじゃない人もいるんだろう。
1番の被害者は継子。
そして愛情を持てない私は加害者なんだろう。
継子から解放されたい。この罪悪感から解放されたい。