連日の朝帰り。お酒の匂いをプンプンさせて帰宅した夫は、時には私の布団のところにやって来て(私は一階で犬と、主人は二階の主寝室で娘と寝る。そんな生活を20年ほど続けていました)私をギュッと抱きしめて「遅くなってごめーん」などとご機嫌な様子でした。
サザンのラブアフェア(あきらかに不倫の歌。切ない男の気持ちですよね)を熱唱してみたり。この頃から、誰か特定のお気に入りさんがいるのかなあ…程度に思い始めていました。
ただ、家には重い心臓疾患持ちの娘がいて、新型コロナに感染したら、まず生き延びる事はできないとはっきり言われていました。ですので、この頃には主治医からも外出禁止令が出ていました。娘は知的障害施設に日中だけ通っていましたが、それも既に通所禁止となっていました。息子達も極力外出を控えて、娘が感染しないようにと家中が気遣ってくれている中での夫の行動でしたから、夫には接待飲みを極力控えてくれるよう話しました。回数を減らす、せめて午前様はやめて欲しいと。
けれど、夫は頑なに首を振り続けました。「必要な事だから、やっている。接待はやめない。それなら、コロナ対策の為に俺は家を出る!」と。
今となれば、
はっ⁈何言ってるの?
家出するほど大事な接待って何⁈
って話ですが…
この頃、会社経営が厳しい状況に陥っており、夫はその立て直しの為に奔走していました。いつも夫は難局に陥っても必ずそれを跳ね返してきていたので、この接待も彼にとって、会社にとって必要な事なのだ…と信じていました。おめでたいですよね、私。