タキ

さ、調べよう!

ミヤ

ええ。
と言っても、ここは机の下しか
探すところがないけど……

ミヤ

端から見ていって、
真ん中まで来たら交代しましょう。

タキ

いいね。
じゃあそうしよう。

タキ

ふう。
特に何もないんだね。

ミヤ

ええ……

タキ

他の教室行こっか。
うーんと……美術室。

ミヤ

そうしましょう。

タキ

あっ…… 待って!

タキ

蛍光灯の上……

ミヤ

何かあるわね。机の上に
椅子を上げれば届きそう……

タキ

私がやる!

タキ

テニスボールだ……

ミヤ

取っておきましょうか。

タキ

うん。

ミヤ

……それにしても、
蛍光灯の上は盲点だったわ。
よく気がついたわね。
ありがとう。

タキ

そんな、たまたまだよ。
テニスボールは黄色いし
見つけやすかっただけ。

タキ

さ、美術室に移動しよう!

2022年
6月10日(金)
13:30

タキ

13時半か。
美術室と……音楽室には
なにもなかったね。

ミヤ

さっきも言ったけれど、
用が無いときは携帯の電源を
切っておいて。
ここには充電器がないの。

タキ

ええっ……
わかった。ありがとう。

タキ

それにしても、こんなことを
毎日繰り返してるのかあ……
大変だなあ。

ミヤ

……何もしなくても今日は今日のままだし、
過ぎ去ってはくれないのよ。
それなら何かやったほうがいいじゃない。

ミヤ

それに、言い忘れていたけど
朝目覚めると前日の疲れや怪我も
リセットされているのよ。
記憶ばっかり増える脳は
疲れているけどね。

タキ

そうなんだ……
そうだよね、それなら尚更、
パンクしちゃう前に
今日で帰れるよう頑張らなくちゃ。

ミヤ

ええ……そうね。
あなたがそう言ってくれる
だけで心強いわ。

タキ

もう。
褒めても何も出ないよ……

ミヤ

ふふ。
さて。あと残ってるのは
屋上ぐらいかしら。

タキ

あ、そっか。
屋上の鍵は貸し棚から取ったし
行ってみよう!

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