フェン

こんにちは、ノーチェさん!

ノーチェ

ああ、こんにちは

フェン

まさか、こんなところでノーチェさんに会えるとは思っていませんでした

ノーチェ

同感だ。俺達には何か、不思議な縁があるのかもしれないな

ノーチェ

……?今日は彼と一緒じゃないのか?

フェン

へっ?

フェン

あ、あー!えーと、今日は彼へのサプライズプレゼントを探しに……

フェン

ほら!昨日は私が道に迷っちゃったせいで、一ヶ月記念が台無しになっちゃったし!!

フェン

お詫びも兼ねて、みたいなー……あは、あはは

ノーチェ

ふっ、なるほどな。仲が良さそうで、何よりだ

フェン

それより、ノーチェさん

ノーチェ

ん?

フェン

さっきの女性は、もしかして……彼女さんですか〜?

ノーチェ

……一般人から見たら、そう見えるのか?

ノーチェ

いや、彼女は……

ノーチェ

…………

フェン

……?

ノーチェ

……ここで正直に「部下」と答えるのは、おかしい。彼女の服装は騎士団のものだったし、騎士団の上司なんて王家以外ありえない

ノーチェ

今この街に滞在しているのは、自分を王家だと公表するためじゃない……あくまで、俺は一般人として来ている……

ノーチェ

だからと言って、彼女と"同じように"ナギのことを「恋人」と騙るのは……些か、抵抗がある

フェン

えぇと……ノーチェさん?なんだかいきなり失礼な質問しちゃって、ごめんなさい……

ノーチェ

ああ、いや、すまない。少し考え事をしていたんだ

ノーチェ

彼女は……友人の妹だ

ノーチェ

見回りをしながら、俺の雑談に付き合ってくれていたんだ

フェン

へぇ〜、ご友人の妹さんでしたか……遠目から見ただけですけど、なんだかとても真面目そうな方ですね

ノーチェ

ああ、彼女は自身の立場を誇りに思っている。何事に対しても真摯に向き合う、強い子だ

フェン

……おやぁ?随分、彼女さんのことを信頼しているんですね

ノーチェ

ああ。頼りになる子だよ

ノーチェ

…………たまに、鬼のように怖いがな

フェン

あはは!ノーチェさんにも怖いものがあるんですね

ノーチェ

一体、俺のことをなんだと……

ノーチェ

…………?

フェン

ん、どうしたんですか?突然黙っちゃって

ノーチェ

いや……

ノーチェ

さっきまでの……俺を尾けていた存在の気配が、しない…………?

ノーチェ

どういうことだ?俺を尾けているなら、この場に留まっている限り動くはずは……

ノーチェ

っ、まさか!!

フェン

えっ!の、ノーチェさん!?

ノーチェ

すまない、急用を思い出した!失礼する!!

フェン

……あ、足が速い…………

ルーク

今の奴が、ノーチェか?

フェン

うん、そうだけど……どうしちゃったんだろ、いきなり

ルーク

さぁ?急用を思い出したって言ってたし、何かあったのかもな

フェン

うん……なんだか、ちょっと心配かも

ルーク

おいおい……

ルーク

言っとくが、ボクは反対だからな

フェン

凄い、以心伝心ってやつ?

ルーク

経験則。散々振り回されてきたから、予想できるだけだ

フェン

えへっ☆

フェン

予想できるなら……無駄なことも、分かっちゃうよね?

ルーク

………………

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