クラウド

…………ん?

ノーチェ

………………

クラウド

彼は……なんで、ここにいるんだ!?

クラウド

ああ、もう……!面倒だな

クラウド

王族が一人でうろうろするなんて……「どうぞ、狙ってください」って言ってるようなものじゃん

クラウド

早く助け……

クラウド

………………

クラウド

助ける必要なんてない、王族は自分達の敵だ。助けたところで、何のメリットもない

クラウド

そもそも、一人でうろついている彼が悪いんだ。あと、王族がいなくなったことにも気が付かない、護衛の無能さも悪いね

クラウド

自分が助けなくても……自分は悪く、ない…………

…………

クラウド

な、なんか凄い勢いで近づいて行ってる人いる……!?

クラウド

もしかしてっ……

殿下っ!!

ノーチェ

びっ……くりした。なんだ、ナギか

ナギ

「なんだ、ナギか」ではありません、護衛もつけずに出歩かないでください

ナギ

殿下はもう少し、"自身が王族であること"を自覚してください。貴方様は、いつ狙われてもおかしくない立場なのですよ

ナギ

まったく、貴方様は昔から……

ノーチェ

わ、分かった分かった。悪かったよ、黙って出歩いて

ナギ

……本当に分かってらっしゃるのでしょうか?貴方様の日頃の行いを見ていますと、不安に思います

ノーチェ

随分な言われようだな……

ノーチェ

それより、ナギ。街中で「殿下」と呼ぶことは、禁止したはずだが

ナギ

…………ぁ

ナギ

た、大変申し訳ございません!!失念しておりましたっ!

ノーチェ

しーっ、声がでかい

ノーチェ

今は早朝だ、まだ寝ている者もいる。大きな声で起こしてしまっては、可哀想だ

ナギ

うっ……返す言葉もありません

ノーチェ

じゃあ、今回はお互い様ってことで。女王様達には内緒だ

ナギ

うぅ……分かり、ました

クラウド

なんだ、知り合いだったのか。良かっ……

フウル

クラウド?こんな物陰でこそこそして、どうしたんです?

クラウド

フウル!?

ノーチェ

ん?

クラウド

ま、まずい……!!

フウル

え!?ちょっと、クラウド!?

ナギ

……怪しい者ですね。追いかけて、処理しましょうか?

ノーチェ

………………

ノーチェ

いや、構わない。彼等は放っておけ

ナギ

しかし……!

ノーチェ

彼等は、害ある者じゃない。気にするな

ノーチェ

大方、ナギの大声で駆けつけて来た野次馬だろう

ナギ

ぅ……以後、気を付けます

pagetop