ハヅキ

そういえば……

ハヅキ

フェンよ、レックスから長髪の男のことは聞いたか?

フェン

長髪の男?誰、それ

ハヅキ

ほれ、昨晩の……

ハヅキ

喧嘩をふっかけてきた、スカした笑顔の長髪男じゃ

フェン

あ、そうだった!

フェン

なんだかレックス、知ってる感じあったから聞こうと思ってたんだけど……

フェン

すっかり忘れちゃった☆

ルーク

おいおい……

ハヅキ

まぁ、こうして落ち着いて話す時間もなかったしの

ハヅキ

レックス自身も、あの男のことを皆に話すことを忘れとったし……多分、今も忘れとるな

ハヅキ

ワレで良ければ、あの男のことを話すぞ

ルーク

そう言えば、ハヅキも何か知ってそうだったな

ヒナタ

……昨日の奴と、お友達なの?

ハヅキ

友達な訳なかろう

ヒナタ

それじゃあ、知り合いなの?

ハヅキ

知り合いというか……一方的に攻撃された仲じゃな

アルド

えっ……!?

ネネ

大丈夫でしたの?

ハヅキ

うむ、昨晩ほど過激な攻撃はしてこんかったからの

ハヅキ

少しやり合って、すぐに退散したわ

アルマ

少しやり合った、って……

フェン

あの男って、一体何者なの……?

ルーク

やけに好戦的な男だったよな

アルマ

……精霊アンチ、なんじゃないの

ネネ

そんな…………バチが当たってしまいますわ、そんなの……

ルーク

アンチだとしても、一般人があんな芸当……

フェン

…………

ヒナタ

どうしたの、フェンおねーちゃん?

フェン

う、ううん!何でもない

アルド

彼も、僕達と同じ異世界人だったりしないのかな?

アルマ

でも、近くにパートナーみたいな精霊はいなかったんでしょ?

ハヅキ

例え精霊が傍におらんでも、能力に覚醒しておればいつでも力は使える

ハヅキ

じゃが……そうだとしても、それらしい媒体は無かったの

ヒナタ

媒体……?何なの、それ

ハヅキ

アルドならばナイフ、レックスならば刀のようなものじゃ

ハヅキ

能力に覚醒した異世界人は、媒体を通じて精霊と同等の力を使うことができるんじゃよ

ルーク

近くで精霊がいて、影で工作していた感じもなかったしな

フェン

……レックスと同じ、なのかな

ハヅキ

ワレ達が彼奴と初めて会ったのは、セキナで精霊のことを調べておる時じゃった

ハヅキ

その時は普通に話したんじゃ……攻撃もされんかったし、むしろ友好的に接してくれとった

ハヅキ

じゃが、別の日……セキナの遺跡周辺を調べっとったら、彼奴に会って、そして攻撃された

ハヅキ

名前も何も分からんが……昨晩のことがあった以上、彼奴を見かけたら即退散すべきじゃな

ハヅキ

まぁ、ワレ達が避けようとも、彼奴からは接触してくるじゃろうな

ネネ

どうして……どうして、皆さん大神様や精霊を敬わないのかしら……

アルマ

その考え方が、もう古いんじゃないのかな

アルマ

伝統や仕来たりなんて、時間の流れと一緒に古びていくもんでしょ

ネネ

ですが、ワタクシ達がこうして生きているのは……

ルーク

あーはいはい、そこまで

ルーク

話が脱線してるし、その話は重要じゃない

ハヅキ

ふむ……精霊アンチかどうかはともかく、酒を交わして仲良く話せる仲にはなれんじゃろうな

ヒナタ

……争いは嫌なの

ハヅキ

そうじゃな……出来るならば、平和的に解決が望ましいの

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