■入院した。





そのまま父は入院しました。




実家の近くから病院まで
巡回バスが回っているので



母は昼になると
バスに乗って病院に行き

お見舞いは午後からしか
入れないのです



夕方に帰るのが
日課になりました。









父は入院してから
少し持ち直し

備え付けのTVを見たり
購買のジュースを飲んだり


母はそんな父の横で
本を読んだり、介助したりして
過ごしたそうです。





毎日行かなくてもいいんじゃない?

と聞くと

お父さんは寂しいのが嫌いだから

と答えていました。



もし相部屋だったら
日参しなかったのか……

多分、相部屋でも
通っていたかもしれません。





ちなみに個室だったのは
相部屋が空いていなかったからで

こういう病院の都合での
個室利用の場合は
特別料金が取られないそうです。



















そんな感じで
病院の尽力と父の気合いで
小康状態を保っていましたが

まぁ、それは見た目だけで
がんは着々と転移し続け

切除手術をします

と、胃の半分ほどを
切り取った矢先に

胃以外の臓器にも
転移が見つかったり







知らない番号から着信が!

いやでも病院かも、でも

……

……もしもし?

↑ 知らない番号なので
公衆電話を探してかけるチキンな私

〇〇病院です

やっぱり!!

(病棟は代表者番号ではなく
枝番号から普通にかけて来るので
要注意です。)

父に何か

あ、病室を移動しましたのでその連絡を

脅かすなよー!!

なんてことがあったり









手術してから
酸素吸入器とか
パルスメーターなどの機械が増え

いつの間にか
ジュースも飲めなくなって

母は日参から
病室に泊まり込むようになり




私は
不在の母の代わりに
休みのたびに
実家に行っては
庭の水撒きをしたり


母が着替えや家の雑用をしに
帰る間、
父に付き添ったり





その間、
病棟備え付けの洗濯機で
父のパジャマを洗ったり

利用には別料金がかかります。
この病院はTVと同じプリペイドカードで
支払う方式でした

ひゃーっ!!

ナースコール! ナースコール!

どうされましたー?

あの、数字が赤字で点滅してるんですけど!


心拍数だかの数字が
どう見ても危険にしか見えない
赤字で明滅したり

あー大丈夫ですよー。
こちらでも見ていますので安心してください

いや安心しろって、ええ!?

でも向こうでも見てるって言ったし

大丈夫なんだよねぇ、ねぇ?


なんてことがあったりしつつ





それでも
そんな低空飛行状態で
安定して

このまま続くのかな

と、思ったこともありました。











ちょっとだけ

……何年も寝たきりで

もう5年になるのよ!

やめないかモブ子!

なんてドラマみたいな展開になったり……


なんて不謹慎なことも
考えました。

ごめんなさい。









入院した。

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