1話『お母さんの初恋』

 お母さんは、小さな小さな島で生まれ育った。なので、街育ちの私にとっては毎回驚く話ばかりだった。

お母さん

島じゅうの皆が皆、知り合いって感じでね。一人に話たことが数日後には皆知ってるって感じかしらね。悪い事をしたらすぐばれちゃうって?ははは、島には悪い人なんて居なかったわ。だから皆、家に鍵を閉めなかったの。

ねー、島ならでは、って感じじゃなくて、なんか私でも実感できるような話、、うーん、そうそう初恋ってお母さんはいつなの?

 ーーと今更ながら聞いてみた。

お母さん

あれは、私が高校生になったばかりだったね。

いつものように、一緒に夕飯を作り始めた時、お母さんの昔話は始まった。

お母さん

簿記の授業が始まるって時に、教室の戸が開いたのよ。そして、その簿記の先生が入ってきたの。なんだか、ふっと、目がばちばちっと合ったような気がしたわね

意味不明な表現も混じりつつ、でも、なんだか懐かしい気分にしてくれるお母さんの話は、なんだか自分も体験したかのような気分にしてくれて、楽く、そして[初恋]っていうテーマがどうも楽しみで、すぐ聞き入ってしまった。

1話『お母さんの初恋』

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