かわせ!!

大宮の声で6人は、地面を強く蹴り空中へと飛び上がり、巨人の薙ぎ払いをかわす。

巨人の右側面を攻撃するしかないわ。

動き回ってるのを狙うってことか。
それに、力の加減を間違えば、葉栗も危ないんじゃ?

着地までのほんの数秒の間に雪がした提案に対し、敬介は疑問があった。

それなら大丈夫。
修太?

了解っす!

得意気な顔で返事をした修太は、地面に手をかざす。

縛錠(ばくじょう)

修太が地面に手をかざすと、地面から伸びた数本の光の帯が巨人に向かっていく。

光の帯は、巨人の腕や足に絡みつき、動きを封じた。

すげぇ……。

か、関心してる場合じゃないっす。

この力には相当な負荷がかかるのか、技の発動から5秒程で修太の呼吸は乱れていた。

形山いくぞ!!

おうっ!!

剛の呼びかけで、動きが鈍っている巨人目掛けて走り出す。

身動きの取れない巨人は、光の帯を振りほどこうと左右に暴れる。

くらえっ!!

はぁっ!!

2人の連続攻撃で少しは木が剥がれ落ちたが、葉栗を救える程ではない。

そろそろ、きついっす。

修太の力もそろそろ限界が近かった。

光の帯の縛り上げが多少緩くなったからなのか、巨人の左腕の帯が解けそうになっている。

左腕が!!

左腕が光の帯から解き放たれ、そのまま周りにいた敬介を狙う。

タイミング悪すぎだろ!!

形山、ふせろ!!

仁は光の斧を、巨人の左腕に投げつける。

仁の投げた光の斧が、巨人の左腕に命中し、一瞬動きを止めた。

今だ!!

砕けろー!!

うっ…………。

敬介の一撃で、巨人の右の脇腹が大きく砕け落ち、葉栗が地面に落ちた。

敬介と剛は、葉栗を担いで美咲達の元へ駆け寄る。

やったっすね。

救出を見届けると、修太はその場に座り込んだ。

そして、巨人を縛る光の帯も全て消え去った。

よかった。
ごめんなさい。
光力がほぼ切れていて、何もできなかったわ。

それは私も一緒よ。

大丈夫だ!!
それより、アイツをなんとかしないと。

第3章--認証試練編--(93話)-第三試練⑭-

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