光の斧を持った人物が、敬介の目の前に現れ、大きく回転し、飛んできたクナイを弾き飛ばした。
さすがに次はかわせねぇ。
斧走円舞(ふそうえんぶ)
光の斧を持った人物が、敬介の目の前に現れ、大きく回転し、飛んできたクナイを弾き飛ばした。
その激しい回転の効果もあり、煙は消えて視界は回復した。
ん?
ゆっくり目を開けると、2人の人物の足元が見えた。
お前らは?
形山先輩、ピンチっすね。
お前がここでやられたら、お前に負けた俺はもっと弱いことになるじゃねぇか。
同じ高校の後輩の修太と、いがみ合いから第3試練の序盤で対決した仁が立っていた。
すまねぇ。
助けてもらってなんだが、これは俺の戦いだ。
これ以上は、手を出さないでくれ。
いや~、そうもいかないみたいっす。
葉栗さんの様子が……ほら。
雑魚共が、わらわらと、湧きやがって……。
修太の指さす方には、力を使い過ぎているせいか、フラフラと歩いている葉栗の姿があった。
影力にのまれかけてるな。
おいっ!!
あいつの体から影力がっ!!
うぐっ!!
葉栗の体から漏れ出した影力は、周りの木々や集まってきていたシャドー達と、少しずつ混ざり始める。
融合したそのシャドー達は、5mはあろう大木の巨人と化した。
そして、よく見るとその右側の脇腹には葉栗も取り込まれている。
…………。
葉栗ごと取り込みやがった。
さすがにやばいっす。
驚いてる場合か!!
助けるぞ!!
助けるって、どうやってだ。
もう同化しかけてるぞ。
4人はその異様な光景に驚きを隠せない。
巨人は、腕を大きく振り、周りの木々を倒しながら暴れている。
まだ同化の状態になってないわ!!
体が木の間に埋もれているだけ。
雪先輩!!
みんな、あの人はまだ助けられる!!
天野さん!!
雪と美咲も合流し、まだ葉栗を救えることを大声で伝える。
そして、6人が見上げると、そこには巨人が立ちふさがり、大きな手で薙ぎ払おうとしてくる。