シャボン玉をかき消すように、雪のような光が吹き荒れた。
え?
雪?
シャボン玉をかき消すように、雪のような光が吹き荒れた。
驚く2人の前に、木の陰から扇で髪を撫でるようにしながら、見覚えのある人物が現れた。
ふふふ。
あなたは、あの4人組の!
あら、自己紹介したのに覚えてないのね。
天野美咲さん。
なぜ吹石さんがここに?
ちょっとその娘に用事があってね。
用事?
そう。
だから席を外してもらえる?
倉間は、吹石雪の発言に少しムッとしたが、近くの木まで下がった。
その様子を見て、雪はお礼をいうと美咲へ歩み寄った。
あなた、大宮君とはどういう関係?
美咲の前に立ち止まると、一瞬頬を赤らめて口籠っていたが、指差し質問した。
え?
どういうって……。
まさかとは思うけど、大宮君と親しくなるために光術士になろうとしてるんじゃないでしょうね!
何かとんでもないことを言われると思っていた美咲は、方向性の違うとんでもない発言に困惑してしまった。
えっと、全然そんなんじゃなくて……。
もう!
はっきりしないわね!
じゃあ、戦って勝った方が大宮君に想いを伝えることにしましょう!
ちょっと待って!
出でよ!
氷扇(ひょうせん)!
話をきいて!!
光の扇を出した雪は、美咲から飛び退き、空中に向かって扇を振った。
雪つぶて!
氷のような塊が美咲目掛けて飛んでいくが、ギリギリのところでかわすことができた。
もう!
誤解で……。
いいから戦いなさい!
かわした直後に誤解だと告げようとするが、雪には伝わりそうにもなかった。
この感じなら、私があの人を倒さなくてもいいのかも。
このまま様子を見てよう。
2人が戦闘に入り、倉間はさらに木の陰へといき、様子をうかがう。
はぁっ!!
ダメだ。
あの人、かなり熱くなってる。
くらいなさい!!
でも、やるしかないのよね!
ふぅ。
やっとその気になったわね!
美咲の天羽が、雪の氷つぶてを切り刻んだ。