ゲームの手が止まる。崩れたブロックとペンギンの人形が机の上に散らかっていた。吉良と協力者は深く目を合わした。

 この二人の空気だけが別になっていく。

協力者

つまり人が住む土地として相応しくなかった。そんな場所に建ててしまった家は自然と廃墟になった

吉良正和

もしかして緋山廃墟に入った人が昏睡状態になるのは土地に集まる霊的エネルギーのせいなんですか

協力者

うーん、不正解だよKILLA

協力者

霊的エネルギーだけで人は昏睡状態になって挙句の果てに心臓発作で死なない。しかも二十三名も同じ死因でね

 二十三名の数は緋山廃墟にて昏睡状態で発見され心臓発作で亡くなった人数の事だ。六十部武蔵が用意したカルテで確認済みだ。

 この人も過去に緋山廃墟に侵入した人数も知っているのか、個人の死因を調べるのに六十部先輩でもかなり苦戦したと聞いたがそれを知っている。

――やはり只者ではない。

協力者

糸を引いている奴が居ないとは思わないかい?

吉良正和

…………

 吉良はその言葉に興味が湧いた。

吉良正和

居ると?

協力者

それを伝えにわざわざ会いに来たんじゃないか

協力者

すみませーん店員さん。注文したいです

 協力者は手を上げて定員を呼んだ。その瞬間、周りの空気と同じに戻る。協力者の様子はさっきまでの真剣な姿と真逆だった。

協力者

今回はここまで続きはまた今度ってことで!

吉良正和

えっ、いいじゃないですか。教えてもらっても

協力者

私としても教えたいが……過程は大事だろ?

 食い下がろうとしたが協力者は聞く耳を持ってもらえず話を流された。すでに協力者は吉良に興味を無くし注文表を覗いていた。

ミミタン

おまたせしました。ご注文は何になさいますか?

 直ぐに定員が注文を取りに来た。吉良は注文を取りに来た定員が知り合いのミミタンと知り焦り始めた。

 しまった今日はミミタン先輩シフト入っていたのか。目の前の情報に目が行って知らなかった。変な勘違いされなければいいけど……。

 目の前の心配などお構いなくミミタンが来て協力者は凄くテンションが上がっていた。

協力者

わー可愛いですね。私、メイドさん見るの初めてなんだ

ミミタン

そうなんですか。始めましてミミタンって言いますご主人様

協力者

いやーご主人様だってKILLA聞いたかい? 私はミミタンが気に入ったよ

ミミタン

ありがとうございます。ご主人様

 ミミタンは同席している吉良に気がついた。気づいたと同時に吉良が女性と二人でゲームをしている現場を知ったミミタンは顔を赤らめる。

ミミタン

あれ? 吉良くんだ。もしかして邪魔だった

 やっぱり、勘違いされた。ミミタン先輩に本当の事を話す訳にいかないからな。ここはごまかすしかない。

吉良正和

違いますよ。ミミタン先輩、仕事相手みたいなもんです

 適当な言い訳でその場をごまかす。内心はとても不安だったがミミタンは納得がいったようでクスリと笑った。

 そのやり取りを見て協力者は疑問が浮かんだ。

協力者

おや、KILLAはミミタンと親しいのかい?

吉良正和

はい。高校と大学の先輩でして……

 大した事ではない。学生の頃の後輩と先輩という関係でこれと言って語る事はない。今でも交流がある尊敬している先輩の一人である。

 協力者は羨ましそうにしている。

協力者

なにィ、羨ましいな。私もミミタンの後輩みたいな仲になりたいよ

 甘えるような態度でミミタンに迫る。店では定員との過度な接触は禁止されている。

 その事は十分に注意するのが決まりだがミミたんは甘えん坊のような協力者に嫌な顔をせずに対応をする。

ミミタン

ミミタンで良ければいつでもお友達になりましょう。ですからしっかり席に着いてくださいね

協力者

はーーい

 子供みたいに返事をして協力者はおとなしく席に座った。

 店としては迷惑と思える協力者の行為だったが角が立たなように場をおさめた。

協力者

よし、気分がいいからサービスで一つ、教えてあげよう

 協力者は気分が良くなったのかこっそりと吉良に伝える。

協力者

カゴメ中学校を調べてみたら、面白い事がわかるかも

吉良正和

カゴメ中学校ですか?

 覚えのない名前の中学校に何があるのか全くわからなかった。

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