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知らぬ間に、道端の草が白く染まっている。
見てください、尤(ゆう)様
……!
そこまで声に出して初めて、捺(なつ)は、隣に居たはずの小さな影が消えていることに気付いた。
……。
これで、この『禁域』は正常に戻る。安堵の息が、喉で止まる。
しかしこれが、捺の職務。
ようやく出てきた冷たい息に、捺は唇を歪めた。