……。


 買い物帰りの道も、段々と『正常な風景』に戻りつつある。

 ゆらゆらと揺れ、アスファルトから土へと変化していく道に、捺(なつ)は口の端を上げた。

……。


 この光景は、尤(ゆう)には見せられないもの。

……。


 見せてしまったら、捺の『嘘』が暴かれてしまう。

……。


 苦い思いを振り払うと、捺は尤が待つあの家へと道を急いだ。

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