天気予報が外れたので、つばの広い帽子を被って、荒れ果てた庭の世話をする。

手伝おうか、捺?

大丈夫です、尤様。

 濡縁に出てきた尤の言葉に、捺は笑って首を横に振った。

 身体の弱い尤の手を借りなくとも、これくらい、何とかなる。

そう。

 淋しげに響いた尤の声に、捺は小さく「ありがとう」という言葉を発した。

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