……。


 玄関を守るように立つ二本の木を見上げ、唇を横に引き結ぶ。

 この家の住人は何故、葉が落ちる種類の木をこの場所に植えたのだろうか。

 おかげで掃除が大変だ。

手伝おうか、捺(なつ)?


 上から降ってきた声に、微笑みを作る。

大丈夫です、尤(ゆう)様。


 ベランダから覗く蒼白い顔に、捺は頭を横に振った。

第1話 門を守る木々

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