Anotherの過去を知って未来で起きる出来事が頭をよぎった。四日後、境界の管理人の会議をした神社で私がAnotherの一員になった時だ。スパイもとい裏切り者が警察に情報を漏らしたせいで神社に集まっていた境界の管理人のほとんどの人が捕まってしまった。

 その二日後、愛和百貨店で何度も繰り返した時間を忘れはしない。

 まだ良く知らないパニーチェさんと仲良くなりたい。

 しっかりしている伊月ちゃんを悲しませたくない。

 優しい五十嵐さんを死なせたくない。

 そして協力者さんともっと話をしたい。

 もっと太誠さんの事も蒼依さんの事も知りたい。もっとみんなの事も知りたい。いずれ異能力を使って誰かのためになりたい。

 美野にある目的が出来ていた。その目的を果たすには一人では出来ないと確信している。美野は信頼している協力者に声をかけた。

美野 一四日

あの、協力者さん

協力者

何だ?

美野 一四日

私、やりたいことがあるんです

協力者

やりたいこと?

 私は協力者にこれからの未来のために出来ることを打ち明ける。

美野 一四日

これか先の未来で私は何もできずここに戻ってしまいました。とても悔しいと後悔してます。だから協力者さん私に協力をしてくれませんか

美野 一四日

未来を変えたいんです。私はあの未来を認めない

協力者

認めない? それは俺が死ぬ未来を変えたいのか?

美野 一四日

いえ、私が認めない未来ですよ

 自分勝手だと分かっている。未来を変えることで何が別の何か良からぬことが起きるかもしれない。未来を変えることが最悪な自体になろうと私は望んでいる。

 私は二度と間違える訳にいかない。

協力者

美野……大丈夫か

美野 一四日

何も問題はありませんけど?

 心配される根拠が見当たらない。協力者さんは何に対して心配をしているのだろうか。

協力者

別にいいんだ。でも、俺なんかに頼って良いのか

美野 一四日

はい、一番信用していますから

 協力者は頭をかいた。信用されていることは嬉しかった。けれど信用される理由が分からない点もあるし美野に対して違和感を抱している。

 信用される覚えがなかった。未来の協力者が美野に信用されることをしたんだろう。現代の協力者は戸惑いながら質問をした。

協力者

どうして使用しているんだ。俺は何かしたのか?

美野 一四日

そうか、ごめんなさい

美野 一四日

あなたは知らないですよね。過去の協力者さんですもんね

美野 一四日

でも、私を助けてくれた協力者さんと同じ人ですから

 俺でない俺に助けられて感謝している。複雑だが気持ちは受け取らないとな。

 未来の協力者に信頼を置いているとは言え美野の気持ちを考え納得しようとした。そう決心を固めようとした時だった。

美野 一四日

協力者さんは私を守るために命を張りましたからね。みんなも私の為に動いてくれました

美野 一四日

だから次は私の番なんですよ

協力者

番?

美野 一四日

はい、私じゃなきゃ未来を変えられないんですよ。私が認める未来しか許せないんです。過ちを変えるのは過去を変えて正さないといけません

美野 一四日

だから協力してくださいね

 そう笑顔で美野は話した。

 それを違和感の正体が分かると美野は壊れていることを察した。

 異能力を使って美野は未来で何度も過去に戻り繰り返した。そのことは話を聞いて何となく想像していた。

――彼女の代償はなんだろうか。

 過去に戻る異能力がどれほどの代償があるか分からなかった。そのことを視野に入れて美野に異能力の使い方を教えるはずだった。

その一つに異能力の発動に俺の許可を入れることによって回数を制限しようとした。そうすることで代償を緩和出来ると思っていた。

 守れない状況とは言え美野は想像以上に異能力を使ってしまった。

 結果、使命感となってしまったのだろう。未来を変えないといけないと使命となった。

 俺は取り返しのつかないことを彼女にしてしまったのではないか。

協力者

俺に……出来ることなら

美野 一四日

こちらこそよろしくお願いします

 美野は深く頭を下げた。

 俺は責任を感じて美野の願いを叶える手伝いをする。そうしなければ彼女の為にならないからだ。

 俺は取り返しのないことをしたらしい。

メビウス・ザ・ループメビウス(24)

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