レックス

と、まあ……この世界のことは大体分かってくれたかな?

アルド

多分、おおよそは……

フェン

何か分からないことがあったら、いつでもレックスに聞いてくださいね

レックス

ああ、いつでも頼ってくれ。可能な限りは協力するよ

アルド

ありがとうございます

レックス

それで、えーと……他に何か話すべきことはあるかな

ルーク

あの2人のことを話しておくべきじゃないか?

ルーク

……って言っても、そんなに情報ないけどな

ヒナタ

あの2人?

ルーク

ああ。この大陸を治めている王家の人間、ノーチェ

ハヅキ

……そして、その者の相棒である精霊のロッティ

レックス

ああ、あまり聞きたくない名前だな

アルド

フェンさんから聞いたんですけど。精霊は、異世界人の前にしか姿を現さないんですよね?

フェン

あ、覚えていてくれたんですね

レックス

そう、その通り。精霊は異世界への、"俺達の世界"へ繋がる鍵になるんだ

アルド

その、ノーチェって方。精霊がいるなら、異世界人ですよね?なんで、王家の1人として……?

レックス

残念ながら、このことに関しては俺も詳しくないんだ

レックス

異世界人であるのに、王家の人間として紛れ込んでいるのか。
何かしらの理由で、王家として生きていなくてはいけないのか

ルーク

……そもそも、「異世界人には精霊の加護がある」なんて前提自体が、間違っているのかもしれない

レックス

考えられる可能性は、いくつもある。ただ、その子の傍に精霊がいることは間違いない

アルド

なるほど……

アルマ

……レックス、"その子"ってどういうこと?

ネネ

確か、性別も年齢も分からないんでしたよね?

レイス

この前なんて「ここまで情報がないなんて……赤ちゃん、もしくは100歳を超えた老人かもしれない」、なんて嘆いていたのに

アルマ

もしかして、何か情報があったの?

レックス

ああ。ちょっとだけノーチェのことについて、知ることができたんだ

ルーク

そういえば、そのことについて情報を共有するために、この街に来たんだったな

フェン

すっかり忘れていたよ

ハヅキ

やれやれ……まあ、あんな出来事があったら、仕方がないかの

レックス

ごほん……それじゃあ、話すよ

レックス

ノーチェは、小さな子どもだ

アルマ

え?まさか、それだけ?

ハヅキ

うむ、これだけじゃ

レックス

ごめん、本当はもっと調べたかったんだけど……ちょっと、あれ以上は、ね…………

ハヅキ

あれは仕方がない、レックスの身の安全を優先せねばならんかったからな

フェン

何か危ないことでもあったの?

レックス

う、うん……まあ、うん…………

アルマ

……なに顔赤らめてるの

レックス

と、とにかく!

レックス

本当に小さなことだけど、進展したんだ

レックス

ちょっとは褒めて欲しいなぁ……なんて

ルーク

わー、レックスはすごいなー

フェン

ねー、ほんとうにー、レックスってば、すごーい

ネネ

すごいですわー

レイス

あー、ほんとうにすごいぜー

アルマ

すごいなーほんとうにすごいなー

レックス

棒読みのオンパレード!!

レックス

あ、アルドさんは、ちゃんと褒めてくれるよね?

アルド

……スゴイデス

レックス

カタコト!?

ヒナタ

……ほんとうに、すごいとおもうの

レックス

含みのある笑顔をしているよ、ヒナタちゃん!?

ハヅキ

レックス、ワレは味方じゃよ

レックス

ハヅキ……!

ハヅキ

後でいつもみたいに、よしよししてやろう

レックス

いや、よしよしなんて一度もやられたことないんだけど!?そんな、いつも強請ってるみたいに言わないで!?!?

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