とあるオカルト研究会で部員がオカルト雑誌を読んでいたりオカルトについて語っていたりした。

副部長

今日で最後だね

無口な部員

九月まで……お別れ

部員

そうですね

 部室に部長が入ると他の部員に目もくれずホワイトボードに向かって書き始めた。

副部長

何書いてるの?

部長

なに、最後の課題だ

 ホワイトボードに食欲と書いた部長は部員を見つめる。

部員

食欲ですか?

部長

うむ

部長

ところで諸君、食欲はあるか?

部員

食欲ですか、食べようと思えばありますね

副部長

私もそうかな?

無口な部員

……右に同じ

 部員の意見を聞くとニヤリと笑った。

部長

当たり前にある食欲は時にして人を悪魔に変える!!

副部長

また、唐突に始まったよ

部員

いつもの流れですね

部長

皆は牛の首は知っているか?

部員

ああ、聞いたことあります。世界一怖い怪談でしたっけ

無口な部員

オチが……怖いのだよね……

部長

いかにも、その牛の首だ。簡単に言うと余りにも恐ろしすぎて聞いた人は三日後に死んでしまうという都市伝説だ

 部長は続けて話を振った。

部長

それとソニー・ビーンと言う人物を知っているか?

部員

それは……ちょっと知らないな

無口な部員

多くの人を殺して……食べてた人……

 無口な部員が説明すると部長は縦に首を振った。

部長

そうだ。この二つの共通点に食欲が関わっている

部員

僕は食欲を無くなりましたよ

副部長

そうだよ。そういう話は一人でしてよ

部長

いや、それではただの独り言だぞ

部長

それに夏が本格的になれば自然と食欲は減る

 部長は話を戻すように話を続ける。

部長

何故に人は食事をするのか

部長

答えは単純、生きるためだ

部員

そんなの当たり前ですよ。食べないでどう生きるんですか?

部長

そうだ。人は食べ物を食べなければ死ぬ。命を頂いて命を繋ぐ生き物だ

部員

はぁ

 部員らの冷たい視線を無視した。

部長

食欲は生物、人類にとって必要だ

部長

故に人は悪魔になれる

部員

最初にそんな事言ってましたね。食欲は時になんかって

部長

当たり前にある食欲は時にして人を悪魔に変えるだ

副部長

私なんとなく分かったかも

 不吉な様子を見せた副部長は頭を抱えていた。

部長

食欲を満たす為に何をするか分からない

部長

飢えて何も食べ物が無く仕方なく人を食べても……だ

部長

しかし食欲に罪はない

部長

牛の首もソニー・ビーンも食欲に踊らされた犠牲に過ぎないのだ!

 部長の言い分にあからさまに呆然としていた。

部長

なんだ、そのまた変なこと言ってるみたいな顔は

副部長

みんな、あんな部長はほっといて何処か食べに行こうか

副部長

食欲に従って

部員

いいですね。僕も行きます

無口な部員

……ごめんね……部長

 副部長の誘いに乗って荷物の準備を始めた。何処か触れてはいけない部分に触れたらしく何処と無く副部長は怒っている。

部長

あの……ちょっと待て、何処に行く気だ

副部長

何処ってファミレスだよ

副部長

鍵閉めお願いしますね

部員

部長、食べ物の恨みって怖いですね

部長

これは食べ物の恨みになるのか

部長

おーい、ちょっと待ってくれ

 部室から三人は出ていく姿を部長は慌てて追いかけた。食に関して二度と語らない事を誓うまで許してもらうのは別の話。

※この話はフィクションです。実際の人物・団体・事件とは一切関係はありません。

幽霊を信じる部活 その2

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