* * *
レヴス
* * *






ギーズ・アインスターク

白熱する眷属!
《バイアクヘー・カノン》


ギーズ・アインスタークの詠唱が


あたりに響くと


数多のバイアクヘーたちが


アインスタークを包むように取り囲みます。






……ところが


アインスタークに纏わりついた


バイアクヘー達は


ピクリとも動きません。



ギーズ・アインスターク

なぜ爆ぜぬ!



アインスターク

……ククク。

アインスターク

有角人の娘よ。

アインスターク

貴様は自身の眷属の力で
果てれるというのか?

ギーズ・アインスターク

ハッ!

アインスターク

余の眷属、バイアクヘーの力では、余を倒すことなどままならぬ。

ギーズ・アインスターク

クッ……。

アインスターク

道に迷いしバイアクヘーらよ。

アインスターク

その長き放浪から、余の血肉へと還れ。
























* * *

勇者不在のラストバトル
後編

* * *


























アインスターク

シュゥゥゥ……

ソルフェ

うぅ……

ポメラ

なんだ、あの姿は……。

アインスターク

久しぶりにこの姿となるな。




バイアクヘーたちがその姿を消すと、



そこには姿を変えたアインスターク。



まるで血に塗れたかのようです。



アインスターク

バイアクヘーは余から漏れ出した魔力の代替生命体《オルタナティブ・シング》……。

アインスターク

これにて!
余は完全体へと!
返り咲いたのだ!

シーラ

……ドキッ。

シーラ

すごい事になって来たみたいだけど、大丈夫かしら……。

アインスターク

ご安心を、マスター・シーラ。
完全体なりとて、余はマスター・シーラの駒であることは変わらず!

アインスターク

かのアインスタークのなりそこないを、必ずやその座から引きずり降ろして見せましょう。

シーラ

任せましたよ、アインスタークさん。

シーラ

……ちょっとなにか違う気がするけど……。

アインスターク

さあ、気を張るが良い、
有角人の娘よ。

アインスターク

その身ごと心を吹き飛ばされぬようにな。

ギーズ・アインスターク

小賢しいぞ、先代!
仮初の存在が、実体を持つ我に叶うと思うな!







ポメラ

うぉ……。










ソルフェ

むぅ……。












シーラ

ビクッ!





ギーズ・アインスターク

クッ!

アインスターク

ぬぅ……。




一進一退の大攻防戦。


しかし、二人のアインスタークの攻撃が


ぶつかり合うたび、


世界は確かに軋んでいました。


アインスターク

なかなかやるではないか、
有角人の娘。

ギーズ・アインスターク

先代こそ、とうの昔に戦い方を忘れたかと思ったが、なかなかどうして。

ポメラ

おいおい、コイツらが戦ってたら、世界が滅びるんじゃないか?

ソルフェ

確かに、これは……。世界に何かしら影響を及ぼすな……。

アインスターク

しかし、これでは埒が明かぬ。
どうしたものか。

ギーズ・アインスターク

立て直す……。

アインスターク

ふむ。ならば。





アインスターク

ゆけ!
バイアクヘー!

ギーズ・アインスターク








二人のアインスタークが


バイアクヘーたちを呼ぶと、


最前線から少し引きます。


ギーズ・アインスターク

先代に並大抵の攻撃は通らない……。

ギーズ・アインスターク

ならば、アレしかあるまい。










アインスターク

少し力を貸せ、トライアンフの落し子とソルフェリアのキメラよ。

ソルフェ

やかましい!

ポメラ

その名を呼ぶんじゃねぇよ
てかなんだ、テメエの力じゃ勝てないのか?

アインスターク

いや……。

アインスターク

勝ち負けだけであれば簡単だ。
余の闇で奴を消し去れば終わる。

アインスターク

だが、余はマスター・シーラの主命を与えられた。

アインスターク

余は、有角人の娘を元に戻さねばならんのだ。

ポメラ

へー、なんだかんだ
スクワイアやってんだな。

ソルフェ

ふむ……。

アインスターク

そこでだ。

アインスターク

ゴニョゴニョ……。



アインスタークは


ポメラとソルフェージュ様に


耳打ちをします。

シーラ

なんかかわいい……。











アインスターク

そろそろ良かろう!

アインスターク

カッ!














アインスタークが


バイアクヘーたちを睨むと


煙のように消え去りました。

アインスターク

お互いの眷属を無駄に犠牲にするほど馬鹿げたことはないな。

ギーズ・アインスターク

ではそろそろ決めさせてもらうぞ、先代。

アインスターク

む……。
先行詠唱か。

ギーズ・アインスターク

暗黒流星《ダークメテオ》!

ギーズ・アインスターク

そして!

ギーズ・アインスターク

磁気嵐
《マグネティックストーム》!

ソルフェ

これも禁呪か……。

ギーズ・アインスターク

360度全方向からの
隕石を喰らうが良い!

ギーズ・アインスターク

合禁呪……。

ギーズ・アインスターク

暗黒流星嵐
《メテオ・ストーム》




隕石の嵐が


あらゆる方向から襲いかかります。


アインスターク

まとめていなす!

アインスターク

闇の巨人
《ダークアトラス》!

アインスターク

薙ぎ払え!

アインスターク

暗黒の鉄槌
《ノトス》!




アインスタークの呼び出した


ダークアトラスは


その斧を振り回して


隕石をいなしていきます。


そして……。

ギーズ・アインスターク

……む?

ギーズ・アインスターク

小賢しい!

ギーズ・アインスターク

見損なうな、先代!
この程度で……

ソルフェ

ここだ、ポメラ!

ポメラ

ああ、あわせるぞ!

ソルフェ

私もー☆

ソルフェ

聖光の制裁
《ホーリージャッジメント》!

ソルフェ

悲哀の波濤
《ティアーズ・フロード》!

ポメラ

猛火豪転戦斧
《もうかごうてんせんぷ》!

ギーズ・アインスターク

なっ!

アインスターク

四属性の旋律は、
心の歪みを滅却す。

アインスターク

合技・属性四重奏
《エレム・カルテアート》!
















ギーズ・アインスターク

うぉぉぉぉぉ!

















ギーズ・アインスターク

バタッ!

アインスターク

有角人の娘よ。
貴様の敗因は『孤立』だ。

ギーズ・アインスターク

なん……だと……。

アインスターク

アインスタークの『魔王の駒』を得たのなら、多くの味方をつけるべきであったのだ。

アインスターク

滅せよ、アインスターク……。

シーラ

レベルが上った!
レベルが上った!
レベルが上った!
レベルが上った!
レベルが上った!
レベルが上った!
レベルが上った!
レベルが上った!
レベルが上った!
レベルが上った!

シーラ

なんか、凄くレベルが上っちゃったみたい。






こうしてシーラさん達は



ついにギーズ・アインスタークを



倒したのでした。































つづく

【勇者勇の装備】
レベル  :24
めいせい :312
ぶき   :新品の短剣
よろい  :鋼鉄のよろい
かぶと  :銀の額当て
たて   :なし
どうぐ  :野ばらのペンダント
      焼豚×2
      焼きとり×2
      霊薬草×5
      淡水ザメの煮凝り
      淡水ザメの骨
      淡水ザメの牙
      黒王の羽
      いつもの額当て
      王の冠
      カジノコイン×2560
      緋糸手句の防寒具
なかま  :[泉守]ダイ
      [もふもふ]もふもふ
      [魔導エンジニア]ラムディッシュ
とくぎ  :ファイアブレス
      トキシックブレス
      釣り
      カン
      介抱
じょうたい:脇役

【シーラの装備】
レベル  :36
めいせい :7240
ぶき   :いつもの本
よろい  :いつもの服
かぶと  :いつもの飾り
たて   :なし
どうぐ  :やくそう×94
      イーサ薬×9
      おみやげ×99
      ガラスの破片
なかま  :戦士ポメラ
      大魔導ソルフェージュ
      [コボルト]ライル
とくぎ  :しょうかん
      媒介しょうかん
      値切り
      冷やかし
      虫の知らせ
      ディゾネの思い出
      寒さに耐える
      好奇心
じょうたい:真パーティーリーダー
      クロニフィカント

第90話 勇者不在のラストバトル 後編

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