* * *
レヴス
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レヴス
* * *
離れて久しい外界の空気……。
悪くはないものだな。
あ……あ……。
くっ……。この威圧感……。
ギーズのそれよりも遥かに……。
ひときわ大きな召喚陣から現れた巨躯。
あたりの空気をひりつかせる威圧感。
よくぞ余を召したな、アルザレアの小娘よ。
ニコッ
それは、紛れもないアインスタークでした。
勇者不在のラストバトル
中編
バカな……。
魔王を召喚で呼ぶなど、サーヴァント・マスターでも不可能なのだぞ?
それを、あのアルザレアの小娘が呼ぶだと?
ありえん!
ギーズ・アインスタークは動揺を隠せません。
その化けの皮を剥いでやろうぞ、アインスタークの紛い物!
メギドの炎熱
《メギディウム・フレア》!
フッ!
しかし、ギーズ・アインスタークの攻撃は
アインスタークの吐息によって
かき消されます。
馬鹿な!
本当にアインスタークだというのか!?
アインスターク……か……。
余には『アイアン・ハンマ』という名があるにはあるのだが、
アインスタークとして呼ばれたのだから、今の余はアインスタークなのだろう。
しかし、皮肉なものだな、有角人の娘よ。まさか、再び貴様と対峙することになるとは思いもよらなんだ。
しかも、今度は真逆の立場とはな。
フフフ……。
ハーッハッハッハ!!
怒号のようなアインスタークの高笑いが
辺りを轟かせます。
これだから!
これだから運命は面白い!
与えられた役割をこなすだけの世界では、こうはならぬ。
……与えられた……役割?
そう言えば、まだ何もお願いしてないわね……。
アインスタークさん。
いいですか?
なんなりと、主命を。
ぐ……!
制御までできている……。
えーっと……。
シーラさんは少し考えてから、
アインスタークにこう伝えました。
あの人を……。
ギーズさんを元に戻してください。
!!
な!?
そう来ましたか。
お願いできるかしら?
このアインスターク、全身全霊を持って主命に望みましょうぞ。
ありがとう。
さて、有角人の娘よ。
くっ……。
余は慈悲深い。
無闇に同族の血を流したくはない。
そこで、提案だ。
貴様の『魔王の駒』を余に返せ。
なんと……。
余が召喚の契約を終えれば、余とともに『魔王の駒』は消滅する。
それが、この世界にとっての最善。
『魔王の駒』など無用の長物なのだ。
……世界にとってはな。
さっきから出てくる『魔王の駒』って何かしら?
チラ……。
ブンブン
ソルフェージュ様も知らないみたい……。
貴様は『魔王の駒』の副産物である、強大な力を手に入れることはできたであろう?
その力を使い、貴様は残りの余生を堪能するがいい。
魔王としての使命など、余計な足枷に過ぎぬだろう?
アインスタークの提案に
ギーズ・アインスタークは
少し間をおいた後に続けます。
先代……アインスターク……。
確かに我は貴方に見初められた存在だ。
魔王としての使命も貴方に譲られたものである。
故に、貴方に従うのが筋なのだろう……。
……だが!
今の魔王は我である!貴方はもはや魔王ではない!
分け与えられた『魔王の駒』と、貴方の躯体に残された『魔王の駒』。
全ての『魔王の駒』の権能を、我が継いだのだから!
我にも譲れないものがある!
我が行使するのが正しいのだ!
ギーズ・アインスタークの体から
これまで以上の魔力が溢れ出します。
どうやら、力づくを望んでいるようです。
聞く耳持たぬか……。
確かに余は『魔王の駒』としての権能を、あの時貴様に分け与えた。
だが、余の躯体に残りし『魔王の駒』までくれてやった覚えはないわ!!
それに、今の余の力を見くびられては困るな。
今の余は、マスター・シーラの駒。クロニフィカントである、この小娘の、な!
えへっ
クロニフィカントだと!?
なあ、ソルフェ。クロニフィカントってなんだ?
召喚士のクラスについては少し喋ったな?
ハイ・マスター、サーヴァント・マスターってのは聞いたな。
召喚起源クロノスの再来と呼ばれる最上のクラス、それがクロニフィカントだ。
以前、イサムの家でシーラに魔力の込め方を教えた時を覚えているか?
ああ。
あの時、シーラが手にしたティーカップの液面は独特の波紋を刻んだ。それはクロノクラウンと呼ばれるものだった。
クロノクラウンはクロノスのみが顕現させられる魔力波長。
あの時は見間違えかと思っていたのだが、シーラが本当にクロニフィカントだったとは……。
そう語るソルフェージュ様の表情は
どこかしら憂いを帯びています。
させぬ!
させぬ!
させぬ!
させぬぞ!先代!
我ならではの力を見るがいい!
いでよ、バイアクヘー!
ギーズ・アインスタークの掛け声に
バイアクヘーの群れがどこからともなく現れ
アインスタークの巨躯に
まとわりつきます。
ほう、バイアクヘーを従える。
アインスタークならではだな。
そして、爆ぜよ!
バイアクヘー・カノン!
ニィ……。
つづく
【勇者勇の装備】
レベル :24
めいせい :312
ぶき :新品の短剣
よろい :鋼鉄のよろい
かぶと :銀の額当て
たて :なし
どうぐ :野ばらのペンダント
焼豚×2
焼きとり×2
霊薬草×5
淡水ザメの煮凝り
淡水ザメの骨
淡水ザメの牙
黒王の羽
いつもの額当て
王の冠
カジノコイン×2560
緋糸手句の防寒具
なかま :[泉守]ダイ
[もふもふ]もふもふ
[魔導エンジニア]ラムディッシュ
とくぎ :ファイアブレス
トキシックブレス
釣り
カン
介抱
じょうたい:脇役
【シーラの装備】
レベル :26
めいせい :1240
ぶき :いつもの本
よろい :いつもの服
かぶと :いつもの飾り
たて :なし
どうぐ :やくそう×94
イーサ薬×9
おみやげ×99
ガラスの破片
なかま :戦士ポメラ
大魔導ソルフェージュ
[コボルト]ライル
とくぎ :しょうかん
媒介しょうかん
値切り
冷やかし
虫の知らせ
ディゾネの思い出
寒さに耐える
好奇心
じょうたい:真パーティーリーダー
クロニフィカント