あれは……

アンゲドルバの子供たち！

全兵に次ぐ！
最重要事項は子供たちの奪還！

全力を持ってあたれ！

それは無理だね。

む？
薬袋ではなく、手の中の魔法陣……。
あやつ、呪文を使う気か？

生体召喚！

……生体……召喚？

ゴーレムウォール！

な！？
アイツ、薬袋を使わないで召喚したぞ！

バカな……。
自分の肉体を媒介召喚の道具にしただと？

そっか、ポメラ達は知らないもんね。

ボクだって成長……変化しているってことを。

ギーズ！
人質を取るとは卑怯だぞ！

人質？

いやぁ、惜しい惜しい。

結果として人質の役割を果たしているけど、違うんだなぁ……。

人質でなければ何だというのだ？

ふふふ、そうだねぇ……。

ソルフェ。少し話をしようか。

なに？

かつての魔王アインスタークは、有角人の出だった。

それは知っているかな？

ヤツの風体を見れば、想像に難くない。

うん。

で、有角人はその異形ゆえ、悪の烙印を押される。

かつてのアインスタークも、その例外ではなかった。

彼は世界の人々の役に立ちたかったと言うのに。

なんですって？

アインスタークがそんな事を？

バカな！信じられるか！

だろうねぇ、無角人にとっては信じたくもない話さ。その臆病さゆえにね。

臆病な無角人どもはアインスタークのその心を理解しようとせず、無角人からは迫害され続けた。

無角人ども？

ギーズ、キサマも無角人であろうが。

………。
アインスタークは絶望した。
絶望に絶望をしたその時。

アインスタークは魔王の駒としての役割を、神から与えられたんだ。

……魔王の駒？

さて、ソルフェ。ノルセスト・ビブリオテークでは神器製法の手引きは読んだかな？

……。

読んだみたいだね。じゃあ、信心の鏡の作り方を覚えているかな？

海獣の網膜……。
有角人の叫び……。
108人の幼子の魂……。

good!

生体召喚！
いでよ、海神ヒッポカンポス！

うぉぉ！
こんなところに海神を呼ぶのか！

海神様に襲われたらレヴスはひとたまりもないわ！

安心してよ、そんな事に使わないさ。

だって海神は
君らにやられて満身創痍なんだ。

いや、待て。
我らは海神の一時的な活動停止をさせただけなハズ……。
なぜ、そんな生ける屍のような状態に！？

さあ、おいで。

よしよし。

えい！

これが1つ目の材料。

海神の網膜。

ひどい！！

アイツ、生きたまま海神の網膜をえぐりやがった！

ギーズのやつ、このために海神を飼っていたというのか！？

網膜を奪う際に、ボクに手出しをしないよう、恐怖でコントロールする必要があったけどね。

なんてことを……。

さて、２つ目の材料だけど……。

問題。

ここにいるアンゲドルバの幼子達は何人いるでしょう？

まさか……108人！？

ニヤリ

そして、3つ目の材料は……。

……有角人の叫び声。
……一体どうするつもりだ？

このボク……！

な！？

アイツ、有角人だったのか！？
いや、それに女！？

さあ、聞くがいい。
アンゲドルバの幼子どもよ！
我が有角人が連綿と受け継いできた
種族の苦しみを！

そして、その魂を捧ぐが良い！

おおおおおオオォォォヲヲヲヲヲ！！！