そうして夜が来た。今は深夜12時30分。壁掛け時計の針はその時刻をさしている。静かで沈黙で支配された夜の屋敷。
私はもと起き上がると音を立てないようにして、昼間秘密裏に呼び出された彼…レムの下へ向かった。
夜の屋敷は青味を帯びた空間で、ただアンティーク調の照明だけが廊下を照らしている。暖かいオレンジ色の明かりだった。
屋敷の調度品は豪華だ。廊下に取り付けられている照明も趣味がいい。まるでどこかの古城みたいな雰囲気だった。
屋敷内には巡回している兵士はあまりいない。せいぜい2~3人程度の兵士が巡回しているだけだった。
この時間はむしろ屋敷よりも外の世界の方が遥かに危険だ。魔物も夜の方が活動的になる。
そして、私は真夜中の屋敷の3階に向かう。その階がレムがいるフロアであり居住スペースでもあるのだ。
3階に上がった。階段は普通の階段で、そこにもアンティーク調の照明が壁に掛けてある。凄い静寂が支配する夜の屋敷。