私は御崎翔子(みさきしょうこ)。30歳の独身女。私は今夜も自らの淫らな欲望を満たす為に今、自分で自分を慰めている。
 私の望んでいる花びらからは淫らな欲望の蜜が溢れて、私の右手の人差し指に絡んで温かい蜜を感じていた…。上半身に着ているシャツも開いてしまって、私はほぼ全裸で今自慰に耽っている。
 花の芯を擦ると得も言われぬ強烈な”快感”が内側からなだれこんで、あそこは痙攣するように内側の部分が震えて、男の人のあれを欲しがっている。
 このまま、強引にあれを…分身を突っ込んで、私のこの淫欲を満たして欲しい。
 それ以上に…私の花びらを思い切り舌を這わせてめちゃくちゃに濡らして、イカせて欲しい。
 でも、今の彼氏は”クンニが苦手”と言って、さっさとあれを強引に花びらに入れて、自分だけ”快楽”を貪っている。荒々しいことこの上ないまるで強姦みたいなセックス。

 私もセックスは嫌いじゃない。だけど……しちゃった後に来るのはいつも”後悔”だった……。

 こんな……ただの男性の”性欲処理”のための女なんて関係、虚しいだけだった。
 生活が苦しくて、セックスの代償に”お金”を請求したこともあったけど、その彼氏から貰えたのは、たったの2000円。
 これじゃあ、交通費の方が高くつくだけだ。私はわざわざ1時間もかけて会いに向かってあげたのに、”忙しいから”という理由でたったの10分にも満たないセックスをして、また後悔した。
 私は男を見る目もないらしい。いつもそう。体を奪われるだけ奪われて、向こうは”快楽”に溺れて、自分の愛液を花びらに注ぎこんで、勝手に果てる。
 その彼から、久しぶりに時間が長く取れるから、ラブホテルでしようと誘われたけど、どうせ”性欲処理”のためにするんでしょ?

 私は嫌だから断った。向こうは残念そうだ。

翔子ちゃんのあそこの濡れ方は凄いエッチだし、中の感触も最高

 褒め言葉なのか、けなされているんだか、わからない言い方だ。

 こんなに花びらが濡れるのは、私が毎日のようにしていた自慰のおかげか、それとも副作用なのかな。
 確かに、セックスが出来ると思うと、私も嬉しい。
 あそこが気持ちいいという台詞も、緩いと言われるよりかはマシだ。
 でも、セックスをした、その後に来るのは、いつも後悔。男の白濁液に汚れた私は”汚れた”と思ってしまう。
 矛盾していた。心はそれ以上に、自分が自慰の時に来るあの…頭が真っ白になるような強烈な”快楽”を求めている。内側からなだれこんでくるあの快感。
 でも、何で実際にその行為をすると、後悔する自分がいるのだろう…?
 私は満たされない想いを抱いて、そうやって自分を慰めて、また絶頂に駆け上がった。

 荒い息遣いと強烈な脱力感。汗が滲んでいる真夏の夜。

 洋服を元に戻すと、私はおもむろにパソコンに向かった。

 私はアマチュア作家として、自分の作品をネットにあげて、閲覧してもらっている。
 これが、私の趣味の一つで、私が一つの理想ともいえる想像の世界に行くための扉だった。
 最近というより、昔から、私は主に”R-18”とレーティングされるカテゴリーの小説を書いている。
 当然、そこではリアルなセックスシーンを生々しく書いているわけだが、それは”自分がされてみたいセックス”でもあった。
 でも、実際の世界ではそれを実行できる男性がいるとは思えない。余程の絶倫男性でなければ、私のこの淫らな欲望を満たしてくれない。
 そうやって、私は”密かな欲望”をこの想像の世界で発散している。

 
 最近書き始めたのは、”とある事情により世界から切り離された盟主が住む都”でのファンタジー小説を書いている。
 そこで書かれる男性像は”外面、紳士だけど、実は淫らな男性”だった。昼間見せる紳士とは打って変わって夜になると妖しい魅力で女に迫る男性だ。
 その世界での男性は、”盟主”として首都レムレースの執務を執り行う人物で、実はある役目を持たされた男性だった。
 だけど、昼夜を問わずその男性は、守るべき女性を己の性欲を満足させる為に抱いているという設定だった。
 不眠症を患った男性はそうやってセックスをしてわざと疲れて眠っているというのが理由だ。
 相手となっている女性は、性欲のはけ口にされていることを嫌がりつつも、そのセックスがあまりにも気持ちいい為にやめられないでいる…という話。

 何か、この物語、今の自分を物語っているような…そんな気がする。

 すると、突然、妙なことが、私の身に起きた。
 パソコンの画面が、突然、白い光を放って、私は眩しいから目を閉じた。
 すると……あの、私が書いたその小説の世界に、いつの間にか導かれていたのだった……。

 目の前には、その小説の出だしのあの草原が…緑の草原が広がっている。
 うつ伏せで倒れていると、あの小説内で登場したあの”盟主”と”騎士”が私を迎えに来た様子だった。

レム

君、大丈夫か!?……気を失っている。アドニス、私の屋敷に連れていくんだ

アドニス

はい!レム様!

 レム…?私が名付けた名前だ。
 その”盟主”の名前は…レム。
 実はあるキャラクターに憧れて名付けた、この世界”レムレース”の盟主……。
 遠くなる意識の底で、その男性は部下であるこの騎士に私を抱き上げ、そして、ある場所へ連れて行かれることを想った。

1-1 淫欲に溺れた作者

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