――美野十四日、異能力発動、二回目
――美野十四日、異能力発動、二回目
二度と失敗しない為に私は駆け出してパニーチェさんを捜索。非常階段の手前でパニーチェさんを発見し確保をした。逃げる途中で群馬に見つかりパニーチェさんが殺された。
上手くいかなかった。
何故かわからないが居場所を特定されているようだった。
次は上手くいく。
――美野十四日、異能力発動、十三回目
再びパニーチェと合流、別のルートで逃走した。しかし、群馬は居場所を特定される。どうやら監視カメラの映像を手に入れているようだ。
パニーチェの異能力が発動していてもカメラには何も変化は無い。人にしか効かない異能力の弱点を突いてパニーチェを探し出したのだ。
門の教団がどのように監視カメラの映像を手に入れたかわからない。ただ、新監視社会とかした現代なら出来る追跡に逃げ場はあるのだろうか?
次は監視カメラに気をつけよう。
――美野十四日、異能力発動、十回目
監視カメラを警戒する為に監視カメラが無い非常階段を使い屋上に向かった。
五十嵐に連絡を取って逃げる事に成功した。
今度こそ大丈夫と思ったが駄目だった。愛和百貨店から脱出したまでは良かったが門の教団に見つかりパニーチェは殺された。
また殺された。
次は頑張ろう。
――美野十四日、異能力発動、×××回目
また殺された。
みんな死んだ。
次は…………なんだっけ?
――美野十四日、異能力発動、×××回目
もう、どうしたら良いか私はわからない。なにをやっても上手くいかない。何回繰り返しているのだろう。
ここで諦めても私は悪くない。
悲鳴のする店内に動かなくなった人形のように座り込んでいる。
日を変えても駄目だ った。可能の限り日を戻しても結果が良くならない。この日に私以外の誰かが死んでしまう。何が原因なのかわからない。
美野は何度も繰り返す運命に絶望していた。
美野さんどうしたんですか覇気がありませんよ。大丈夫ですか
……伊月は
何も知らない伊月に私の気持ちなどわかるはずがない。どうしようもない気持ちを伊月にぶつけてどうする。どうせ、何も変わらない。
美野は心を閉ざすようにうつむいた。
これで終わりなのかい?
君の覚悟は何度も時の流れに逆らって消えてしまったのか?
あなたは誰?
突如現れた見知らぬ少女の言葉に閉じたはずの心が揺らいだ。目の間に立つ少女は美野に手を伸ばした。
女の自分より小さな手を美野は握った。
未来の作り方を教えてやる