淹れ立てのコーヒーをすする。お店の出すコーヒーの味は素人の舌でも美味しいと感じさせる。小春とキリンはお互いに顔を覗き美味しさに驚いた。

 紬は何故か嬉しかった。自分が淹れた訳じゃないのにどうして嬉しいと想ったのか不思議だった。

 コーヒーの感想をしばし語り合うと本来の目的を思い出して思わず笑う。改めてテスト勉強を初める事にした。

 教科は小春が苦手な数学をやる事になり、机に教科書とノートを広げた。小春の苦手な部分を中心に勉強を初める。その関係で小春に教えやすくする為に席を移動した。小春を対面に紬とキリンが座った。

 二人はテストに出る範囲を小春に教えながらコーヒーと共にテストの範囲を復習した。

優木 キリン

そろそろ聞いても良い?

九十九 小春

何だ。キリン

優木 キリン

あえて聞かなかったんだけど普段勉強なんてしないウララがテスト勉強をしよう、なんて言ったの?

九十九 小春

んっ

 ある程度、勉強が進んでいた時だった。唐突の質問に小春は目を逸らして固まってしまう。

九十九 小春

あえて聞かなかったら聞かなくてもいいじゃない

優木 キリン

いいの、だいたいの理由はわかってるし

優木 キリン

別にどんな理由でもいいの。もし、くだらない理由だったら友達でも怒る

 キリンには答えはわかっていた。だからといって直ぐに質問はできなかった。それはキリンにとって複雑な意味だからだ。

 小春は渋々と口を開いた。

九十九 小春

くだらなくないぜ、ただ、赤点を取ったらバスケの試合に出してもらえないんだよ。あくまで学生の本分は勉強だってさ、ハッハッ

優木 キリン

ふーん、そうしておくよ

 最後は笑っていた。その様子にキリンは何事も無かったかのように勉強を続けた。

 聞きたい答えと違う答えが返ってきてキリンは内面、何処かホッとしてイラついた。けれど、表には出してはいけないし悟られてもいけない。二人きりならまだしも人目がある。それに言いにくい事もあって直接聞く訳にもいかなかった。もし、聞きたい答えが返ってきたとしてもだ。

 ただ、聞きたかっただけ……それだけだった。

九十九 小春

俺って、そんなに勉強しないイメージあるか?

優木 キリン

しないイメージしかない。そんな事より、続きをやる

 自然と二人は勉強を再開する。その様子を見ていた紬は二人の事がうらやましいと思っていた。

 友達なんだから気軽に話せばいいのだが仲の良い二人の間に上手く話出せないでいた。

 なんだか悪い気がしてためらっているし、聞きたい言葉が浮かばない。話そうとすると私が話に入って良いのかなと詰まってしまう。

九十九 小春

伊吹どうした? なんだか元気がないぞ

矢吹 紬

え、えーと。そうだ、ここの問題がわからないんだ

 紬は適当にノートを差した。小春は一度、目にするが速攻でキリンに助けを求めた。キリンは仕方なくノートを見た。

優木 キリン

えーと、ここは……前の問題の応用だね。伊吹ちゃんもここ苦手?

矢吹 紬

……ちょと

 幸い指が差した場所は紬が苦手とする問題だった。キリンも苦手らしく教科書を確認している。

優木 キリン

まぁ、応用問題は慣れるしかないからね

優木 キリン

特にウララは頑張らないと、試合に出るんだったね

九十九 小春

がんばります

 厳しい目で小春を見つめられて小声で返事をした。キリンはしょうがないと言わんばかりに教科書を開いて応用問題の説明を初めた。

 お互いにわからない部分を聞きながら勉強は続いた。

キスの味はコーヒーでした(3)

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