面談の呼び出しがあったその日。

スカイ

クビになったらどうしよう

スカイ

次の仕事を探さないといけないのかな?

スカイ

そもそもあんな調子を崩したのに……もう一度まともに働くなんて可能なの?


 多くの不安を抱えたまま、総苑長と呼ばれる人、理事長と呼ばれる人の最上階級の人達と面接室で向かい合った。

 総苑長と理事長の二人。部屋に居たのはそれだけだった。
 二人と自分は向かい合って座った。

 余裕が無かった時の話だ。相変わらず記憶は定かでは無い……が。
 最初に理事長が質問をしながらパソコンで何かメモを取り、それから総苑長の独壇場になって……理事長はメモ係に徹していた事は覚えている。

 調子を崩して現場に恐怖を覚えていたのか、事務職になりたい……そんな事を言った記憶がある。
 しかしそれを総苑長は良しとしなかった。

総苑長

あなたは一人で現場を見るユニットよりはデイサービスで協力して現場を見る方が向いているのでは無いですか?事務は確かに数人で回しているけれど……仕事は一人一人持っている。あなたには向いていないと思います

総苑長

折角高い志を持ってこの業界に入ったのだから、このままになるのは惜しい


 恐らくそんな事を言っていた筈だ。
 そうして突き付けられた選択は二つ。

『このまま同じ施設のデイサービスに異同する』か『他の事業所に行って事務職を探す』か。

 自分が選んだ選択肢は……前者だった。

 元よりデイサービス勤務がしたかった。夜勤手当ての経験が無いから収入の変動が無い……そう知ったら迷う事なんて何にも無かったのだ。
 それどころか又夢が叶うのだと……そんな状況ではないというのに浮かれる程だった。

 そうして八月に入ってからデイサービスに異動する。それが正式決定となった。

 精神状態に不安を抱えている状況だというのに……病院なんて思考はまだ無かった。

 ……この時までは。

1-4 壊れたブレーキ。行く末は……四

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