――銃声が鳴る数分前
――銃声が鳴る数分前
愛和百貨店の入り口に協力者と五十嵐は中に入れないでいた。一刻も早く愛和百貨店に入ってパニーチェを救出したい。しかし、彼女によって中に入れない。
どうした。入らないのか
まるで門番のように立つ沖田アシンは二人に対して余裕の笑みを浮かべている。愛和百貨店から逃げる人には目にもせず二人を見ている。
入りたいのは山々だ。なら異能力を解いて道を譲ってくれないか
俺はお前達をこの先に通すわけに行かない。通りたければ俺を倒してみせろ
沖田は強気だ。二人がかりでも戦える余裕がある。どうやら協力者の願いを聞く耳はないそうだ。
あのさ協力者、思ったんだが
何だ伊達メガネ
一人称が俺、割とありだわ
今、関係ないだろバカ
五十嵐の事は置いといて目の前に立つ沖田アシンの異能力空間管理はある一定の空間をアシンの管理下に置き操る能力だ。恐らく愛和百貨店内はアシンの管理下となっている。
操るこれが厄介だ。管理下の中ではアシンが決めたルールが決められている。例えばこの空間に特定の人物を入れなくするとか、ある程度条件があるそうだがうかつに中に入る訳にはいかない。
お互いにネタはバレてる。それでもパニーチェを助けないといけない。俺は行くが五十嵐お前はどうする?
以前にも門の教団と戦いで沖田アシンや他の幹部の異能力はお互いに知られている。今更隠す必要がない。
協力者は五十嵐を見た。五十嵐はイラつきながらアシンを指差を指す。
はぁ? お前一人で勝てると思ってるの異能力が操作される相手にか
知っている。沖田の空間管理の中では自由に出来ない。異能力を封じられれば異能力は発動出来ない。相手の土俵の上で戦う事がどれだけ危険かわからないはずがない。
なら、俺と協力してくれ
仕方ねぇな
アシンの異能力のせいで足踏みをしていた。しかし、それも終わりだ。二人がかりなら沖田さんを倒せるかもしれない。
掛かってこい先手は譲ってやる
あの二人の立入禁止を解除する
アシンがそう言葉に出すと愛和百貨店が一瞬、輝いたような気がした。協力者と五十嵐は肩を並べパニーチェの姿をした人が入り組んだ愛和百貨店に入る。
作戦はあるのか
無い。どうにかするぞ
五十嵐の言う通り作戦はない。不利な状況で戦う事になってしまった。出来れば戦わず侵入するつもりだった。
本来なら五十嵐の異能力でこっそり侵入してパニーチェを救出する作戦だったが、沖田さんが居る事は想定外だった。おかげで結果的に異能力の相性が悪い相手と正々堂々と戦う羽目になった。
愛和百貨店に入った二人にアシンは腕を前に出して手招いて挑発をしている。
余裕だな沖田さんよ。俺は手加減はしないぜ
超加速
先手必勝とばかり協力者は異能力を発動させた。目に止まらない速度でアシンに最速で近づきみぞおちを打ちに行った。
俺の目に見えなくとも殺気は感じる
消えた協力者に動じることもなく協力者の攻撃を受け止めた。
……マジですか
いかに速かろうと俺は届かんよと言ったはずだ
アシンの異能力で無効にされなくても異能力を使った攻撃を簡単に受け止められた。
沖田アシンは強い。そんな単純な事を忘れてた訳じゃない。俺は昔からこの人に勝てた試しがなかった。
やっぱり強いな沖田さんは
だろ。後輩