小牧千夏と連絡が取れないという緊急事態になり、俺たちは今後の対応について話し合うことになったが、その前に聞きたいことがある。

 長根が部屋を出てすぐに足立に尋ねた。

さて、足立さん。陽弘とはどんな関係なんだ?足立家の保護とかなんとか言っていたが

足立 環奈

どんな関係かっていうと……簡単には言えないわね。まずは私の家の説明から始まるけれど

 足立さんが只者ではないことは知っていた。小牧千夏に対する熱い友情を持ち、独特のテンションで周りを振り回す。今だって前とは違う姿になって俺は回された。

 足立の家は情報を扱うところであり、表から裏のことまでなんでも収集する。長根 陽弘のことは長根の元々の家族がらみのことで知っており要注意人物として足立は知っていた。

足立 環奈

こちらとしては町の浄化のためにうちの家の一員としてほしかったのよね。長根 陽弘は厄介な人物を知っているから

町の浄化……

足立 環奈

この町はゆがんでいるからね。いろいろと。治安をよくするためには掃除しないといけない。今一番の解決はこの町の治安をよくすることね

 足立はため息を吐く。治安が悪いというのは俺も知っている。昔からここは治安が悪いと言われていた。ほかの土地に住む人の言葉の端からひしひしと感じる。よくこんなとこで住めるよねって。

足立 環奈

とにかく千夏が無事であることを祈るしかないわ。千夏の母親の精神状態がやばいらしいのが不安材料ね。人をたくさん殺したから普通ではないのは当たり前だけど

ちーちゃんの母親が例の

足立 環奈

犯人よ。一連の事件、殺人鬼の正体は千夏の母親。まさかこんな早くに危機が迫るとは思ってなかった。情報の共有を早めにすべきだったわね

 悠月は颯太に連絡を取ると言って廊下に出た。颯太とはうまく連絡がついたらしく、すぐにここに来るという。

木原 悠月

あとは潤だけど用事があって今すぐには来れないって

そういえば連絡はあまりできないって言っていたけど

足立 環奈

ああ、今頃婚約の儀式の最中かしら。潤様と桐子様のね

 連休前、潤の表情は暗かった。家の用事があると言っていたが婚約という大事なことが起きていたなんて。まあ、あの二人はこういう関係になりそうだなと思っていたが。

足立 環奈

後で連絡しましょう。私も家に連絡しないと

 そう言って足立は出ていく。
 残された俺と悠月は陽弘が戻るのを待った。

木原 悠月

そういえば、秀俊いいのか? なんだかんだ一緒にいることになったけど

ああ、そうだ。墓参りしないと

 本来の目的を忘れていた。亡き彼女の墓参りだ。俺も部屋を出て墓場へと歩いた。

あ、秀俊さん。すみませんでした。今日は墓参りにいらしたのにいろいろと大変なことになって

 玄関先で瑠璃に出会う。陽弘と話をしていたという。

まあ、なりゆきだから仕方ないよ。まさか瑠璃ちゃんとちーちゃんが知り合いだったなんて知らなかったよ

千夏ちゃんと秀俊さんが仲良くしているなんて知らなかったですよ。千夏ちゃん、私たちには話してくれなかったんです

 瑠璃はそう言って下を向く。

千夏ちゃんは私たちが味方になっても、距離をとってましたね。深すぎず近すぎず、遠すぎず……。私はもどかしかったんです。壁をどうにかして壊したくて

……

ごめんなさい。弱音を吐いちゃって。今はそんなことを言う暇なんてないのに。秀俊さん、私たちも協力します。千夏ちゃんを救いましょう

ああ。絶対にちーちゃんを

 一人にしない。
 

何があろうと俺は、俺たちは仲間だ。どんな因縁があろうとも、ちーちゃんは俺たちにとって大切な存在だからな

 俺たちは防衛隊。誰かを救うための正義の味方。本来の使命を忘れない。それが俺たち。

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