足立 環奈

小牧 千夏を死なせなんかしない

 感情が高ぶった足立は長根の襟首をつかむ。
 その場にいた俺たちは何も動けなかった。
 小さな足立から発する殺気に支配されていたのだ。

足立 環奈

長根 陽弘、あなたの苦悩はわかっている。確かにあなたはずっと苦しんでいた。だから小牧 千夏を救ったのでしょう。あなたは日本国籍を取得して、多少は呪縛から離れられた

足立 環奈

確かにあの子は逃げられないわ。自分の親が殺人犯であることは事実だもの。あなたは逃げられた、家族から、そして国籍から

足立 環奈

でも、だからといって私は簡単にあきらめないわ。諦めるつもりなんてないわ、私が今でもあなたを足立家の保護に入れるのと同じようにね

 足立は長根の襟首をつかんだ手を離した。
 ふわっと殺気が消えていく。

足立 環奈

私だけじゃない、ここにいる防衛隊も諦めないわ。それに私が仕えているあの方も何かしら考えを持っている 

 長根はじっと足立を見てから返事した。

そうだったな、俺は心配しすぎていた

足立 環奈

そうよ、あなたは心配しすぎ。方法なんていくらでもあるし、何ならこっちには世間を騒がせる情報がある。それを流して殺人鬼からの興味を逸らすこともできるわ

 長根は足立の説得に応じて小牧 千夏の話をした。防衛隊の俺たちが知らなかった事実を知る。
 小牧 千夏が抱えていた闇を俺たちは近づき始めた。

 こうして情報共有をしたところに寺の娘の長根 瑠璃が慌てた様子で顔を出した。

失礼します、陽弘さん

 長根に耳打ちをする。長根の表情が変わり、瑠璃に指示をして下がらせた。

まずいことが起きた

 それは最低な状況だった。
 僕たちにとっていつかは起きるであろう最悪の事態。

小牧と連絡が取れない

 俺たちは動き始めた。殺人鬼騒動の解決に、そして小牧 千夏の救済に。

君のために世界を変える

facebook twitter
pagetop