――これは……とある田舎の福祉科高校の話。

 入学式を迎えた黒髪の美少女・スカイは一人で考えていた。

???

予想通り知り合いが一人も居ない……


 クラスメイト達を見回しながら、スカイは一人内心でガッツポーズをした。
 中学時代、同級生やクラスメイト達によって虐められていた経験がトラウマになっている彼女である。そんな彼女が高校で福祉科を目指した理由は福祉に昔から興味があったという理由が半分、虐めて来るような人が居ないと予想した為というのが半分だった。
 だから親と大喧嘩して選ぶ位の覚悟でこの地に立っている……訳だが。

スカイ

さて……友達は出来ますかね


 元より人との関係作りを苦手とする彼女である。どこか他人事のように思ってしまうのはそのせいだった。

スカイ

まぁ適当に頑張りますかねぇ


 結局彼女はそう思う事にして、入学式の会場へ向かった。

 ――翌日。

スカイ

あっちゃー……

 クラスメイト達の様子を見回したスカイは……そう思うしかなかった。
 高校から福祉科に来るような人々なのだから、それはそうだろう。何故この事態を予測出来なかったのか。

 どこを見ても複数人で固まるクラスメイト達。

 そう、福祉科に来る人々とは……対人距離が近く、オープンな人が多いのである。
 つまり、だ。

スカイ

そりゃ一日目に関係作れなきゃぼっちにもなるよねぇ……


 そう。どこを見ても複数人で固まって居るクラスメイト達が見えるという事は……何時しか自分がぼっちになっていたという……そういう事でもあるのだ。

スカイ

これは……やらかしたなぁ

 今更悔いてももう遅い。
 そして複数人で固まって居るクラスメイト達の間に容赦なく入って行くなんて事は……コミュ障スカイにとっては無理な話なのである。

 ただ一つ人と違うのは、ソロ充を楽しめるスカイに取ってはそんな状態も些細な事で、問題でも何でも無いのであった。

スカイ

まぁそんなずっと誰かと一緒に固まってなくても問題無いかぁ


 結局スカイはそう思い、ぼっち脱出を諦めた。
 考えるのを放棄した……今思えばそういう事なのかも知れない。

 こうしてぼっちコミュ障スカイの福祉科高校生活は……密かに始まったのであった。

Episode0 END

Episode0 福祉科高校入学式

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