彼女は追われていた。人気が少ない暗い路地をあみだくじみたいに走っていた。その後ろを多人数の男達が追っている。
過去の私が未来で体験した終末は神門の開放だった
人類の最後の日でもある神門の開放を阻止すべき行動を起こさないといけない
そんな時、ある女性が秘密を抱えア・イ・ワ、愛和百貨店に逃げ込んだ
探している人物は門の教団の秘密を握っている
その秘密を握る為に動き出す者、秘密を握り潰す者が続々と愛和百貨店に集合する
おっと、少し言い過ぎたようだ
さて、続きを話そう
彼女は追われていた。人気が少ない暗い路地をあみだくじみたいに走っていた。その後ろを多人数の男達が追っている。
しつこい追跡に終わりが見えない。ポケットに入れたUSBを捨てれば追われなくなると思うが、持ち帰ると約束をしている。それに約束をした相手に褒められたい事もあって捕まるわけにいかないのだ。
暗い路地を抜けると大通りに出た。彼女は人混みに紛れて姿を消そうとした。しかし、男達は人をかき分けて追い続ける。
流石にまいったネ
彼女はさらに人が多く集まる場所を探すと愛和百貨店があった。彼女は身を隠す為に愛和百貨店に逃げ込んだ。
別の場所で手下の連絡を聞く男は電話を片手に拳銃を握っている。
愛和百貨店のに入った。なら、すべての入り口、出口を見張れ
残りでお嬢さんを追うんだ
俺が来るまでへまするんじゃない。わかったな
拳銃のマガジンを確認する。ちゃんと弾丸が入っている事を確認してマガジンを差し込んだ。そのまま拳銃を懐に入れた。
行くの榎
男が立ち上がると、近くのソファーで座っていた女が煙草を灰皿に押し付けて話しかけた。声をかけられた沖田は振り向いた。
まあ、ムラサキ様の為だ
ふふ、そうね
二人は肩を並べて百貨店に向かう。
都内の雑居ビルに協力者は寝泊りをしていた。元々は事務所として使われていたところを境界の管理人が一つ借りている。
元事務所らしく事務用のデスクと椅子だけが捨てられずに残っていた。そこに生活に必要最低限な物しかなかった。
充電ケーブルに繋がったスマホが震える。協力者は震えるスマホを取ると相手は蒼衣からだった。
もしもし、どうかしました
ズズさんが門の教団に追われています。助けに行ってくれませんか
追われてるズズが
ズズはAnotherの一員で基本自由に活動をしていている。あまりにも自由人なので手を焼いている。
最近、姿を見せないと思ったら門の教団に追われているだと、一体何をしたんだ。
さっき電話があって愛和にいて助けてほしいそうだ。君が一番近くに居るから、どうにかズズさんを救出して君の隠れ家でかくまってほしい
隠れ家なんかじゃありませんよ
愛和に居るんですね。どうにかしてみます
愛和と言えば愛和百貨店の事だ。昔からある百貨店で都内に住んでいなくっても名前は知っている有名店だ。蒼衣が言った通り協力者が居る雑居ビルから近い場所にある。
うん、頼んだよ。五十嵐くんにも連絡しているから協力してくれ
俺だけでも大丈夫ですよ
協力者は電話を切って愛和百貨店に向かった。
人の賑やかさに負けないように愛和百貨店のCMソングが流れている。愛和百貨店で買い物をしている客は気にせず買い物を続けている。
気分転換にと美野と伊月は愛和百貨店に来ていた。
ありがとうございます。こんな私にそ、その、付き合ってくれて
いいんだよ。私も気分変えたかったから
神社に警察が突入してから二日経っていた。協会の管理人の中に裏切り者が居る事がわかってしまった。何とも言えない空気が組織を漂って息苦しさを感じていた。
そんな中、伊月ちゃんの兄、槇木太誠が二人で買い物に行くように提案して愛和百貨店に行く事になったのだ。
強引だったが太誠さんの気遣いに助かっている。