なるほど……

お姉さんと喧嘩して飛び出してきたものの、謝る勇気もないため

調べる予定だった廃院の調査を一足先に行い、少しでも彼女の負担を減らそうとしようとしているのですね

ヒナタ

……結局話してしまったけど、大丈夫なのかな

優しいのですね、あなたは

ヒナタ

そんなことないの

ヒナタ

ヒナタには、謝る勇気がないの。フェンおねーちゃんはきっと、許してくれるのに……

だけど、あなたは自分が悪いと反省している

ヒナタ

それは、そうだけど

ならば、良いではないですか

ヒナタ

良い、のかな……?

私も、あなたと共に廃院に向かいましょう

ヒナタ

えっ?

一人では危険ですし、なにより……

アルド

おーい、ヒナター!!

ヒナタ

あ、アルド!

ヒナタ

えへへ、おかえりなの!

アルド

うん、ただいま

レイス

どうしたんだよ、こんなところで?

ヒナタ

お話ししていたの!

レイス

……誰とだよ

ヒナタ

ほら、あそこにいる……

ヒナタ

って、あれ?

ヒナタ

い、いない……の?

アルド

ヒナタ、誰かといたのかい?

ヒナタ

う、うん。さっきそこで、知らない人と……

アルド

ヒナタ、知らない人とはあまり仲良くしちゃだめだよ?

レイス

お前、小さいんだからな。ぼーっとしてたら、誘拐されるぞ

レイス

いくら精霊で能力があるって言っても、その身体じゃ抵抗もろくにできないだろ

アルド

レイス君の言う通りだよ。これからは、一人で行動しないでね

ヒナタ

分かった、の……

ヒナタ

……あの人は、誰だったんだろう

ヒナタ

もしかして……幽霊?

ヒナタ

あ、アルド

アルド

ん?なんだい、ヒナタ

ヒナタ

その、手を繋いでほしいの

アルド

ははは、良いよ。はい

ヒナタ

えへへ、アルドの手はあったかいの♪

レイス

やれやれ、甘えん坊だな

ヒナタ

レイスも、繋ぐの?

レイス

オイラはお前みたいに甘えん坊じゃないからな、手なんて繋がねえよ

レイス

良いから、早く中に入ろうぜ。腹が減っちまった

アルド

……もう一つのお腹の音は、レイス君だったのかな

レイス

なに笑ってんだよ、アルド

アルド

なんでもないよ。さあ、帰ろうか

ヒナタ

……うん

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