なるほど……
お姉さんと喧嘩して飛び出してきたものの、謝る勇気もないため
調べる予定だった廃院の調査を一足先に行い、少しでも彼女の負担を減らそうとしようとしているのですね
……結局話してしまったけど、大丈夫なのかな
優しいのですね、あなたは
そんなことないの
ヒナタには、謝る勇気がないの。フェンおねーちゃんはきっと、許してくれるのに……
だけど、あなたは自分が悪いと反省している
それは、そうだけど
ならば、良いではないですか
良い、のかな……?
私も、あなたと共に廃院に向かいましょう
えっ?
一人では危険ですし、なにより……
おーい、ヒナター!!
あ、アルド!
えへへ、おかえりなの!
うん、ただいま
どうしたんだよ、こんなところで?
お話ししていたの!
……誰とだよ
ほら、あそこにいる……
って、あれ?
い、いない……の?
ヒナタ、誰かといたのかい?
う、うん。さっきそこで、知らない人と……
ヒナタ、知らない人とはあまり仲良くしちゃだめだよ?
お前、小さいんだからな。ぼーっとしてたら、誘拐されるぞ
いくら精霊で能力があるって言っても、その身体じゃ抵抗もろくにできないだろ
レイス君の言う通りだよ。これからは、一人で行動しないでね
分かった、の……
……あの人は、誰だったんだろう
もしかして……幽霊?
あ、アルド
ん?なんだい、ヒナタ
その、手を繋いでほしいの
ははは、良いよ。はい
えへへ、アルドの手はあったかいの♪
やれやれ、甘えん坊だな
レイスも、繋ぐの?
オイラはお前みたいに甘えん坊じゃないからな、手なんて繋がねえよ
良いから、早く中に入ろうぜ。腹が減っちまった
……もう一つのお腹の音は、レイス君だったのかな
なに笑ってんだよ、アルド
なんでもないよ。さあ、帰ろうか
……うん