買い込んだ食材を冷蔵庫に仕舞い、夕方を迎えると次々と参加者が集まって来た。
結月達はキッチンに立ち、温めたり盛り付けたりしながらパーティー会場となる白峰家のダイニングへと次々と食材を運び始める。
買って来た物以外にもキッチンに立っている明彦の母、絢菜(あやな)や結月の母、月子が談笑しながら料理をして、その盛り付けも手伝いながら運んでいた。
買い込んだ食材を冷蔵庫に仕舞い、夕方を迎えると次々と参加者が集まって来た。
結月達はキッチンに立ち、温めたり盛り付けたりしながらパーティー会場となる白峰家のダイニングへと次々と食材を運び始める。
買って来た物以外にもキッチンに立っている明彦の母、絢菜(あやな)や結月の母、月子が談笑しながら料理をして、その盛り付けも手伝いながら運んでいた。
これ運びますね
明彦がタイミングを見計らいながら出来上がった料理を運ぶ。
僕も味付けを手伝いましょう
敬一は一人称まで敬語を使いながら指示を聞き、てきぱきと動いている。少し前に親が来れないお詫びと言って手土産も渡していたから、彼の両親もどうやら来れなくなったらしい。
こんな感じでどうかな?
盛り付けの手伝いは結月だ。作る事は出来ないが、その位なら何とかなる。
キッチンに居ない美咲は料理は苦手らしく、それによってダイニングで子守という役割を結月の姉、作子とやっていた。
明彦の弟、良彦(よしひこ)や妹の陽菜(ひな)はまだ遊びたい盛り。誰かが面倒を見なければならないのである。
作子おねーちゃん、人形遊び……あたしとやろー
そうねぇ、良いわよぉ
美咲、おれとミニカーで勝負だ
また?もうしょうがないなぁ……
美咲には弟が居るだけあって、男の子の相手は慣れている様子だった。
確かお兄ちゃんや咲夜は来る筈なんだけど……
そんな事を考えながらミニカー勝負を繰り返している。
そんな時、チャイムが鳴った。
ああ、はい
着替えを終えて降りて来た明彦の父、敏彦(としひこ)が応対に向かったと思うと……すぐ戻って来る。
美咲ちゃん、ちょっと
あ、はい!
美咲は突然名前を呼ばれて驚くが、慌てて手招きされた玄関へと向かった。
玄関に行くと美咲と良く似た雰囲気の青年と少年の姿がある。
あ、お兄ちゃん。咲(さく)も
何とか仕事が終わったからな。作子さんにも誘われていたし、来れて良かったよ
動画編集一本終わってから来たけど、間に合ったね
それぞれ言う二人は美咲の兄、咲斗と弟の咲夜だ。
咲斗は作詞家である作子の曲を作曲家として引き受けた事がある為、その縁で美咲だけでは無く、作子にも誘われていたのだろう。
今準備している最中だよ。
作子さんと明彦君の弟君と妹ちゃんの相手もしている所だったから丁度良かった。手伝って
言いながら部屋の中へと二人を案内する。
あ、咲斗さんいらっしゃい
ダイニングでは笑顔の作子が二人を迎え入れた。
えーっとそっちの子はどなたかしらぁ?
あ、私の弟の咲夜です。
で咲夜、こっちは有名作詞家の……作子先生
作子の問い掛けに答え、彼女を紹介すると咲夜が前に進み出て作子に挨拶した。
初めまして。旗仲咲夜です。有名作詞家の作子先生にお会い出来るなんて光栄です!
大ファンなんですよ、オレ!!
あらあらそれは嬉しいわぁ
作子は笑顔でそれに応じた。
咲斗さんも大ファンだって言って下さったの。兄弟でファンだなんて、わたしは幸せ者ねぇ
へぇ、そうだったんだ。お兄ちゃんが素直に言うなんて珍しい
良いだろう、それは
美咲が言うと照れ臭そうに咲斗はそっぽを向いた。
そんな中、良彦と陽菜が乱入してくる。
みーさーきー!何時までおれ様を待たせるんだよぉ
おにーたん達だぁれ?かっこいーね!
そんな二人に美咲は慌てて紹介した。
ああ、ごめん。こっちがお兄ちゃんの旗仲咲斗。音楽の仕事をしていて、こっちが弟の旗仲咲夜。YOUTU●●とかニコ●●動画とかで見た事無いかな?
ん?もしかしてオマエ昨也か
そうそう、良く知ってたね
当たり、と言うように咲夜は良彦の頭を撫でた。
え、昨也?キャーどうしよっ
陽菜はどうしてか頬を赤く染めた。
動画で見るよりずっとかっこいい
ははっ有難うな
そんな陽菜の頭も咲夜は笑顔で軽く撫でた。
わぉ……咲が人気者なんて見た事無いから新鮮
思わず美咲は呟いた。
失礼だな姉さん……
咲夜がすぐ返してくる。
作子さん、最近はどんな曲に詞を入れたんですか?
ええっとぉ……この前はアニメのオープニングでした。楽しかったですよぉ
咲斗は作子と何時の間にやら話し出している。
そんな時、再びチャイムが鳴った。
はーい
ソファで夕刊を見ていた敏彦が立ち上がって再び玄関に向かうと、こちらが開ける前にドアが開く。
仕事が押しちまって遅くなった。間に合ったか?
お、結作じゃねーか。遅かったなお疲れ。
今は御前んとこの可愛い嫁さんと娘さんが良く働いてくれてる所だよ
そっか。そんじゃあ間に合ったな
ああ、御前が最後だ。まぁ入れよ
おう
そうして結作がダイニングに案内されると最後の品を持って結月と月子がキッチンから歩いて来た所だった。
あ、お父さん
結作さん。お帰りなさい
気付いた二人が笑顔で迎え入れた。
あ、お父さん。待ってましたよぉ
作子も笑顔で迎え入れれば結作は席に就いた。
ああ、ただいま
そしてクリスマスパーティーが始まるのである。