天領蘇芳(てんりょうすおう)

ねぇプロデューサー……さっきの言葉の意味ってどう解釈すれば良いのかな……?


 その問いに思い出したのはパーティーを抜け出してデートしていた時の言葉で、心臓の鼓動が激しくなった。

天領蘇芳(てんりょうすおう)

今夜……帰さなくても良い?


 その言葉が何を意味しているのかなんて明白だった。

 ふと彼が冗談だと笑った言葉を思い出す。

……あれは冗談なんかじゃ無いよね


 恥ずかしくてうやむやにしてしまったけれど、後で考えれば確実にそうだった。

それにもうすぐ蘇芳は誕生日になるんだ……


 その瞬間を一緒に迎えたいという想いもある。
 そうして口を開こうとすればそれよりも前に彼が言った。

天領蘇芳(てんりょうすおう)

……なんて言っても困るよね。気にしなくても大丈夫だから


 そうして身体を離そうとする彼の腕を思わず引いた。

天領蘇芳(てんりょうすおう)

ちょ、プロデューサー?今それはちょっと困……


 焦ったように言う彼に自分から口付ける。

天領蘇芳(てんりょうすおう)

……え


 唇を離せば驚いたように蘇芳が目を見開いていた。

 身体中が熱くなってくるのを感じながら言う。

……蘇芳の誕生日一緒に迎えたい、だから……


 心臓の鼓動が煩く響く。

……蘇芳の好きにして


 恥ずかしくて彼を見れずにいれば口付けられる。

天領蘇芳(てんりょうすおう)

そんな風に誘われたらもう帰せない


 熱を持った声が響く。

天領蘇芳(てんりょうすおう)

……後悔しても知らないよ

……大丈夫、後悔なんてしないから


 そう言う彼に答えれば再び口付けられる。
 数回の口付けの後抱き寄せられ、静かな声が落ちてきた。

天領蘇芳(てんりょうすおう)

……ここだと眼鏡が外せない、だから……行くよ

 そう言う彼に意を決して頷くとそのまま手を取られ彼の部屋へと向かう。

 そのままベッドに押し倒されれば熱い口付けが降って来た。

 こうして濃厚な夜が幕を開けた。

 そうして日付が変わる頃。

蘇芳、生まれて来てくれて……本当に有難う


 本心から漏れた言葉に彼が嬉しそうに笑う。

天領蘇芳(てんりょうすおう)

俺にそんな風に言ってくれるのは……君だけだよ

 そうして再び唇が触れ、首筋、鎖骨と下に降りて行く。
 ドレスのボタンも少しずつ外されて行った。

 思わず彼にしがみ付けば再び唇が重なり、割るようにして舌が割り込んできた。

天領蘇芳(てんりょうすおう)

これからもずっと……大切にするから


 静かに呟く彼に頷く。

天領蘇芳(てんりょうすおう)

だからずっと……俺の傍に居てくれる?


 その言葉に小さく頷く。

 そうして私はこれからも彼の誕生日を隣で祝いたいと……密かに思う。

勿論だよ。だって私はもう……蘇芳の物だから

 だから来年も再来年も又彼の誕生日をこうして祝いたい。
 そして何時か彼がクリスマスを本当に好きになるようにしていきたい。

 そう私は強く願ったのだった。

『Fratello』【クリスマス・天領蘇芳誕生日番外編21/21】譲れないもの21

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