うう……恥ずかしかったね

天領蘇芳(てんりょうすおう)

うん流石に俺も……ごめん


 外に出てきた私達は相変わらず頬の熱が引かないままそんなやり取りをする。

あ、謝らないで!私も悪かったし、それにその……謝れると余計に恥ずかしいっていうか……


 改めて思い出してしまえば物凄い会話をしていた気がする……。

そ、それに場所が違ったらあの状況……!


 そんな事まで考えてしまって更に頬が熱くなった。
 そんな私に蘇芳が言う。

天領蘇芳(てんりょうすおう)

確かにそれはあるか……でもまさかプロデューサーちゃんがあんなに俺の事を思ってくれてるなんてね

か、からかわないで!!


 余計に頬が熱くなってしまって反射的に返した。
 そんな私に彼は……

天領蘇芳(てんりょうすおう)

クリスマスが近付いてたせいで俺、かなり弱気になってたみたいでさ……だから……嬉しかったよ


 呟くように言った。
 突然の真剣な言葉に一瞬驚きながらもすぐ頷く。

……それなら良かった、かな


 同時に少しだけ寂しさが込み上げた。

やっぱりクリスマス、嫌いなんだよね……


 だけどすぐに決意する。

……絶対好きにさせる。頑張るぞ!


 改めて決意すると蘇芳が尋ねて来た。

天領蘇芳(てんりょうすおう)

ところでプロデューサー、この後どうする?
……結局勉強出来てないけど…………

あ、うん、そうだね……どうしようかな…………

他の所に行くか、このまま帰宅にするか……


 考え込んでいるとふいに手を取られる。


 驚いて見ればどこか楽しげな蘇芳の瞳とぶつかった。

天領蘇芳(てんりょうすおう)

考える位なら、このまま俺に付き合ってよプロデューサー。
デートしよ?

え、でもべんきょ……


 勉強はどうするのかと訊こうとすれば言い切る前に盗むように唇を奪われる。

天領蘇芳(てんりょうすおう)

あんな事があって、そのまま勉強なんて出来ると思ってる?


 艶っぽく笑う彼にドキドキしてしまう。

……確かにそれもそうだよね。玉には息抜きも大事だろうし……

 内心でそんな言い訳染みた事を考えながら私は頷く。

……うん、わかった


 本当は私も彼と楽しい時間を過ごしたかったのだ。

 クリスマスムードの街ではイルミネーションが輝いている。
 何時の間にか暗くなっていたから余計にクリスマス飾りが輝いていた。

 蘇芳と指を絡めて歩きながら様々な店のラインナップを確認していく。

どこの店もクリスマスだからプレゼントになりそうな物が一番前に飾られてるな……

天領蘇芳(てんりょうすおう)

プロデューサー、どっか入る?

 真剣に商品を物色する私に蘇芳が問い掛けるが、私は首を振った。

ううん、今日はウインドウショッピングだけで良いよ

 そう答えたのはクリスマスのサプライズを考えた上での発言だった。

きっと蘇芳は一緒にプレゼントを選ぶ方が楽しんでくれるだろうから……


 それが私の考えるサプライズだった。

天領蘇芳(てんりょうすおう)

そう?それなら良いけど

 蘇芳は少し不思議そうだったが、疑うような様子は見られない。
 それに内心でホッとしながら彼の手を引いていく。

どこを見てもクリスマスムードだね

 ふと呟けば彼も頷く。

天領蘇芳(てんりょうすおう)

うん、そうだね

蘇芳は今までのクリスマスってどう過ごしてたの?
プレゼントとかって用意した?

 気になって問い掛けてみれば彼はすぐに答えた。

天領蘇芳(てんりょうすおう)

一応毎年貰うってわかってる人の物は用意するよ

そうなんだ、とすると……毎年浅葱には買ってるんだ

天領蘇芳(てんりょうすおう)

まぁ兄さんは誕生日なのもそうだし、一応ね

一緒に買いに行くとかそういう事は無いの?蘇芳だって誕生日なんだし交換するとか

天領蘇芳(てんりょうすおう)

そういうのは無いかな。兄さんは俺と違って色々と忙しいし時間を合わせるのが難しいから

そっか……

……という事は誰かと一緒にプレゼントを選びに行くとなると初めての経験になるよね

 密かに嬉しく思っていると蘇芳がふと言った。

『Fratello』【クリスマス・天領蘇芳誕生日番外編11/21】譲れないもの11

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