……浅葱、何か私にして欲しい事はある?

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

え……?

私からもう一つの誕生日プレゼントだよ。
誕生日のプレゼントもクリスマスのプレゼントも浅葱に訊いた物じゃ無かったし、特別

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

プロデューサー……


 驚いたように彼は私を見た。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

……そんな事を言われたら私は何を言い出すかわからないよ

……良いよ、それでも。
出来る範囲でならだけど、応えてあげる


 そう笑顔を向け、彼の言葉を待つ。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

なら……貴女からのキスが欲しい


 少し考えながら彼はそう応え、寄り掛かるのをやめた。
 確かに私からキスするという事は余り無く、出来ても頬位だった。

キスって唇に、だよね……凄くドキドキするけど……でも浅葱がそう言うなら


 途端に鎮まっていた筈の鼓動が激しくなった。

え、ええっと……ど、どうやるんだっけ?


 普段であればそんな事は考えないのにどうしても焦りから考え出す。
 しかし考えれば考える程余計に頭の中が真っ白になって何も浮かばなかった。

こ、こうなったら勢いでっ


 結局考えるのを放棄した私はどうにか彼に顔を近付けた。
 直前で恥ずかしくて目を閉じてしまったけれど、確かに唇を一瞬だけ触れ合わせる事が出来た。

……う、何時も何となく雰囲気でやっちゃってたからすっごいドキドキする。何時も浅葱はこんな想いなのかな……

 思わずそんな事を考え、一人で恥ずかしくなった。

そ、そういえば浅葱は……?

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

…………

あ、あれもしかして……本気で照れてる?


 何となくそんな気がした。

こんな表情もするんだなぁ……


 その様子が微笑ましく、照れていた事等忘れてしまった。

浅葱、大丈夫?


 呼び掛ければハッとしたように私を見て再び視線を逸らして言った。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

……思った以上に破壊力があって、どうしたら良いのかわからなくなってる


 その言葉も考えて話しているというより思っている事がそのまま漏れているようだった。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

……貴女のキスは……危険だな


 続いて呟くように言った言葉に私も真っ赤になってしまえば抱き寄せられ、口付けられる。
 それでも鼓動の高鳴りは感じ、求めるように彼を見れば再び唇が重なった。

気持ち良い……


 先程のような荒々しさが無くて、今度は自然に受け止められた。
 甘い刺激に酔いながら再び思考が停止する。

もっと……


 そんな声が漏れたら再び唇が重なり、舌が入り込んでくる。
 それを受け止め、自分からも舌を絡ませる。
 座っている影響か、応え易い気がした。

どうにかなっちゃいそう……


 余りの気持ち良さにそう思い、求めるように彼の背にしがみ付いた。

 数えられない程のキスに応えるが、身体を離したのは彼の方だった。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

……これ以上やると貴女を帰せなくなる


 静かに落ちて来たその言葉に高鳴っていた鼓動が更に激しくなる。
 私はまだキスの余韻に浸っていて、ぼんやりとしていた。

 しかし思わず手を伸ばせば彼の肩に回るより前にその手に掴まれる。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

駄目だよ、姫。誘っているようにしか見えなくなるから……。
敢えて外に出てきたのに意味が無くなってしまう


 その言葉でハッと我に返る。

私何を……っ


 余りの恥ずかしさに顔から火が出そうだった。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

……戻ろうか。明日もあるし

……うん


 まだ心臓の鼓動は煩いけれど、目を逸らして呼び掛ける彼を見れば頷く他無くて……。
 名残惜しく思いながらも差し出された手を握った。

 そんな私を浅葱が立たせてくれながら歩き出す。
 少しずつ遠ざかっていく夜景が何だか切ない。

 繋いだ手を強く握れば彼は少し驚いた様子で、だけど握り返してくれた。

『Fratello』【クリスマス・天領浅葱誕生日番外編14/15】パートナーとして14

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