???

こんばんは、レディ。ご機嫌如何ですか?


 突然私に声を掛けられた事に驚いてしまうが、どうにか表情に出さずに応えた。

はい、楽しませて頂いています

???

それなら何よりです。貴女には楽しんで頂かないといけませんからね


 そう言って彼は笑う。

???

何時も息子がお世話になっているようで


 その声で話し掛けて来た相手が誰なのか漸くハッキリと理解した。

こ、この人浅葱のお父さんだ!


 考えてみれば先程一番に祝いの言葉を述べていたのは彼だった。

天領浅葱・蘇芳父

しかし貴女のような美しい方を選ぶとは……家のせがれもやりますなぁ

あっ有難う御座います


 思わず頬が熱くなるが、慌ててそう返した。

天領浅葱・蘇芳父

しっかし息子には勿体ないような美しさだ。
どうです?息子から私に乗り換えては

はい!?


 その言葉に驚き素っ頓狂な声を上げてしまう。
 そんな私を何時の間にか近くに来ていた浅葱が抱き寄せた。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

父上、私の愛する人が美しく愛らしい反応をするのはわかっておりますが、余りからかわないであげて下さい

え…………!?

か、からかわれてたの!?


 それに驚いて浅葱のお父さんを見れば肩を竦めて苦笑していた。

天領浅葱・蘇芳父

やれやれバレてしまいましたね。貴女が余りにも可愛らしい反応をするものですからつい

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

私が愛しく思っている人は誰が見ても可愛らしいから仕方ないですが、困らせていては見過ごせませんよ


 続く浅葱の言葉に真っ赤になる。

そういえば浅葱って天然な部分があるんだった……!


 そのせいで本気なのがわかるから余計に心臓に悪い。

天領浅葱・蘇芳父

困らせなければ彼女を口説き落としても良いのかい?


 そう浅葱に言いながら浅葱のお父さんは悪戯っぽい笑みを浮かべている。
 浅葱までからかうつもりだろうかと思うが、その答えは少し気になった。

浅葱・・・どう答えるかな

 緊張しながら彼を見つめる。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

私までからかうおつもりですか?


 浅葱はそんな風に返したが、続けた。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

ええ、構いません

えっ


 思わず声を上げてしまう。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

誰が口説き落とそうとしても彼女の目に映るのは私だけです。
だから問題ありません


 その言葉に私は一気に真っ赤になってしまう。
 自信満々の発言はとても彼らしいけれど恥ずかしくて仕方無い。

 ハッキリとした彼の言葉が聞こえたらしい周囲からの囃すような声が余計に恥ずかしかった。

天領浅葱・蘇芳父

まさかお前がそこまで一人の女性に惚れこむとは……驚いたなぁ


 浅葱のお父さんは言いながらニヤリと笑う。
 続いて彼は私の耳元で囁いた。

天領浅葱・蘇芳父

お幸せに

~~~~~っ


 そのせいで耳まで真っ赤になる私に軽くウインクをして、続けて浅葱に言った。

天領浅葱・蘇芳父

それじゃあ邪魔者はさっさと退散するかな。
上手くやれよ

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

ええ、勿論です


 余裕たっぷりに返す彼の様子が悔しい。

やっぱり私ばっかりドキドキしてる気がする……!


 悔しさから浅葱を軽く睨む。
 しかし手を取られてすぐにその気持ちは驚きに変わった。

 不思議に思いながらも握り返せば彼は微笑んで言った。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

……少し外に出ようか、姫


 そう言われれば断る理由も無い。
 取り敢えず頷いて答えれば、私の手を引きながら彼はバルコニーに出る扉へ向かった。

『Fratello』【クリスマス・天領浅葱誕生日番外編10/15】パートナーとして10

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