目覚まし時計の音で目が覚める。布団から起き上がると自分の家だった。

 どうしてここに居るのだろう。本来なら私はここに居るはずがないのに自分の家で寝ているんだ。

 記憶を辿れ。

 確か列車に乗って実家に帰ろうとしていた。その時だ、あの恐ろしい出来事があって……それから、どうしたっけ?

 何かが引っかかっている。けれど、その事を考えても考えてもどうにもならなかった。

美野 一四日

なんだっけな?

 よくわからないまま、テレビの電源を入れた。

 テレビでは朝の番組をやっていた。お天気キャスターが今日の天気を読み上げている。

お天気キャスター

今日の天気は全国的に晴れでしょう。良い一日を


 ニッコリと笑いお辞儀をする。そんな事より日付が目に入った。

美野 一四日

……戻っている


 日付はあの恐ろしい出来事の三週間前だった。

美野 一四日

これってタイムスリップでもしたの?

 SFでもあるまいしタイムマシンでも乗って三週間前に戻ったとてもいうのか。そんな現実味もない事が出来る訳がない。

 まさか今までの事が夢だった!?

美野 一四日

落ち着け、私

 頭を抱えて目を閉じて冷静に考えてみる。

 まず、私が体験した三週間は夢では無い現実だ。現実と夢を間違えるはずはない。もし、今までの出来事が夢であるとすれば酷い話だ。

美野 一四日

あれは本当に起こったこと、夢じゃない


 自分に言い聞かせて現実を受け止める。落ち着きを取り戻したところであることを思い出した。

美野 一四日

そうだ今日って、爆破テロがあった日じゃ


 私の記憶が正しければ今日は門の教団が爆破テロを起こした日だ。白いトラックの下に仕掛けられた爆弾が爆発して多くの犠牲者を出した。

美野 一四日

どうしよう


 このままだど沢山の人が死んでしまう。止めないと行けないと思ってもどうやるかわからなかった。

美野 一四日

私がやるしかないの

 どこで爆破テロが起きることを知っているのは私だけだ。人を死ぬのを知って、その事を無視できるか。

 私に命を救うことが出来るだろうか。

美野 一四日

私だけじゃ無理だ

 美野は白いトラックが止めてあった繁華街で人を探していた。

 その人は爆発から私を助けてくれた名前を知らない男性、あの人は爆弾を探していた。探しているということはあの人も爆弾を止めようとしていたはずだ。

 あの人と協力できれば爆弾を止めることが出来るはずだ。

美野 一四日

……いない

美野 一四日

ここにもいない

 しかし、いくら探してもあの男は見つからなかった。見つからないまま時間が過ぎていった。

 探し続けて美野は白いトラックを見つける。

美野 一四日

――ここは

 よく見に覚えがある。あれは爆弾が仕掛けられた白いトラックだ。美野はいつの間にかに白いトラックがある場所にたどり着いていた。

 時計を確認すると爆発する時間に近づいていた。

美野 一四日

もうこんな時間

 爆弾がある場所はわかっている。自分に出来ることは知っている。

――ならば、やるべきことは?

 美野は白いトラックに向かって走り出した。そして、白いトラックの下を覗いた。覗き込むと映画とかで見たことがある時限爆弾があった。

 デジタル表示の赤い数字が少なくなっている。この数字がゼロになった時、爆発するのだ。

美野 一四日

――あった!


 手を伸ばして爆弾を掴もうとした。その時だった、後ろから声をかけられる。

協力者

何やってるんだ?

美野 一四日

その、今、手が離せないんです

協力者

金でも落としたのか?

美野 一四日

そんなんじゃありません!


 ふとして振り向くと探していた男がいた。

美野 一四日

ようやく見つけた

協力者

俺を? トラックの下にいると思って探してたのか、猫じゃないんだぞ

美野 一四日

そんなこと知ってます。私は爆弾を止めよとしてるんです!

協力者

爆弾――だと


 慌てた様子で男は美野の体を強引に退けてトラックの下を覗いた。

協力者

ちっ、ここにあったか、ここは危険だ。あんたは逃げろ


 やはり、あの人は爆弾を探していた。男は怖い顔をしてこの場所から遠ざけようとする。

美野 一四日

止めれるんですか?

協力者

これを止める為に来たんだ!

 強い意志を感じる。この人は本気で爆破テロを止めようとしている。

メビウス・ザ・ループ(4)

facebook twitter
pagetop