クリスマスを来週に控える月曜日、目覚ましを止めた私は肌寒さを感じながらも布団を出て着替えを始める。

最近は冬真っ盛りという感じで物凄い寒いよね……。浅葱はちゃんと暖かくしているのかな


 気になるのは大事な彼氏の事だ。
 彼と付き合い出して初めての冬というのもあり、特に気がかりになっていた。

 特にこの日浅葱は仕事オフ。事務所に来る必要も無い時だから会えないかも知れないと思うと余計に気にしてしまう自分が居た。

考えてる場合じゃないよね。浅葱は来ないとしても私は仕事として事務所に行くんだから切り替えなきゃ!


 気合を入れる為、頬を叩く。

よしっ


 他に誰も居ない一人暮らしの部屋に私の声だけが響いた。
 そんな時……。

 突然聴き慣れた着信音が鳴り響き、スマホの画面に今まさに考えていた相手の名前があった。

こんな早くから電話?どうしたのかな


 驚きながらも電話に出る。

もしもし、浅葱?
こんな早くから何かあった!?


 朝早くの電話というのもあり、心配になりながら言うが、電話相手の浅葱は特に焦っているような事でも無さそうだった。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

愛しい貴女が心配してくれるとは私は幸せ者だな


 何時も通り歯の浮くような台詞にドキドキしながらもホッとする。

浅葱が朝早くから電話するなんて中々無いから何かあったんじゃないかと思うよ……!

 文句の一つも言いたかったが何も無かったのが嬉しいのもあって、結局出たのはそんな言葉だった。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

それはすまない……。
きっと逢って話していたのなら美しい貴女の表情が曇っていただろうな……

ま、まぁ何も無かったなら良いんだけど……


 もう彼と付き合い出して暫く経つが、相変わらず甘い言葉には慣れない。

でもこんな時間から電話なんて……何か私に用があるんだよね?


 ドギマギしながらも何とか返せば少しの沈黙の後に彼は言った。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

……流石貴女は私の事を良く理解してくれているな


 その声が嬉しそうで私も嬉しくなる。
 思わず口元が綻ぶのは抑えられなかったけれど、何も言わずに彼の言葉を待った。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

貴女に今から逢いたくて

えっ今!?


 流石に私もそれには驚いて返してしまう。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

急ですまないとは思うが、今が良いんだ


 その言葉からは真剣さが感じ取れたから私は慌てて時計を確認した。

まだ出勤時間的には大丈夫そう……唯浅葱と会った後に直接向かわないとかな


 そう考えながらも私の中に断ろうという気持ちは無かった。
 逆に浅葱の時間が心配だった。

でも浅葱、これから学校だよね?私に会ってる時間があるの?

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

ああ、貴女と会って話したらすぐに向かおうと思ってるから心配ない


 尋ねる私に浅葱はすぐに答えた。

それなら良かった。
私も大丈夫だけど……待ち合わせ場所はどうする?


 続けて訊けば彼は又すぐ答えた。

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

愛始(あいし)駅なら私も貴女もそのまま学校や職場に行けるから、そこにしよう

わかった、愛始駅ね。
じゃあ早い方が良いと思うし、少ししたら向かう

天領浅葱(てんりょうあさぎ)

有難う、プロデューサー。
愛してるよ

 すぐに頷いた私に浅葱がサラリと照れてしまうワードを言って電話は切れた。

~~~っ朝からもう

 一人で真っ赤になってしまいながらも慌てて支度を済ませた私は待ち合わせ場所に向かった。

『Fratello』【クリスマス・天領浅葱誕生日番外編1/15】パートナーとして1

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