金元さん

みやちゃん、ごめんね

みやちゃん

ほんとよ、もう。
あの子は小学校の時の友達だって、何回言えば分かってくれるの……

間宮さん

まぁまぁ。
あや子だって悪いって思ってるよね?

金元さん

……

みやちゃん

……

間宮さん

あれれ~?

みやちゃん

はぁ、まぁ確かに、二人からしたら気に入らないと思う

みやちゃん

それは私も悪かったわ。
ごめんなさい

頭を抱えるみやちゃんに私は苦笑する。
でも金元さんは納得いかないみたい。

金元さん

……なんで、そんなに気に掛けるの?

間宮さん

そりゃ、小学校で仲が良かったからどうしちゃったんだろうって?
感じでしょ?

フォローのつもりで間宮さんが言ったけれど、みやちゃんは違ったみたいだ。

みやちゃん

うーん。
ちょっと違うのよ

間宮さん

そうなの?

金元さん

わけを、聞いてもいいなか?

みやちゃん

そのうち話すわ

金元さん

みやちゃんそればっかり

みやちゃん

……ごめんなさい。私にも事情があるのよ

間宮さん

……よし!
わかった!
いいよ、みや子!

みやちゃん

え?何が?

間宮さん

あや子のことは任せて!
ちゃんとあたしが面倒見る!

金元さん

や、別にみやちゃんがほんとに迷惑っていうなら、あたしもなにもしないわよ……

間宮さん

うりゃっ!

金元さん

ぶーっ

金元さん

いひゃ!いひゃい!
ほっぺた摘まないで!

間宮さん

しないって態度じゃないでしょ!

金元さん

ぶーぶー

間宮さん

だから、ちゃんとあたしが面倒見るわよ

みやちゃん

でも……

間宮さん

みや子だってわかってるでしょ、あや子が何を気にしてるか

みやちゃん

うん……

間宮さん

今の関係性が変わっちゃうようなことがなければ、あたしはみや子の意志を尊重するよ

間宮さん

別に、ここに一条さんが入るとか、みや子があたしたちをほったらかして、一条さんとこに行っちゃうとかじゃないんでしょ

みやちゃん

それは当たり前よ!

みやちゃん

私の…
ほんとのお友達はあなた達だわ!

間宮さん

だったら、大丈夫だよ。
あや子は私が押さえておいてあげよう

金元さん

……あたしが千紗都に抑えられてる間、みやちゃんはあたしの近くにはいないんでしょ?

みやちゃん

そんな……
ちょっとだけ睦美を心配してるだけよ。
別にあなたをないがしろにはしてないでしょ

金元さん

……だめだからね。
ちゃんとあたしたちのところに戻ってきてくれなくちゃ

みやちゃん

わかってるわ

金元さん

みやちゃんと千紗都とあたしは3人でずっと一緒にいるんだから

みやちゃん

わかってる。
あなた達は大事なお友達

みやちゃん

睦美のことが片付いたら、また3人で仲良くするんだから

三村

……

イヤホンをとって、電源を切る。

みやちゃん相手にこんなことはしたくないけど、金元さんが本当に厄介だ。
多分金元さんはほんとうに3人でいたいだけで、ある意味悪気はないんだと思う。
みやちゃん次第ってところかなぁ。
それもそれで難しいみたいだけど。
ああ、でも、間宮さんが間に入ってるうちは大丈夫かな。

弥生

みやちゃんたちはなんとかなりそうかなぁ…

そんなことを考えながら、今度は金島くんの音を聞く。
金島くんのいう先輩ってやっぱりあの人だよね。
知ってて近づいた風でもないし、知らなかったとしたら本当に、私はどう動くのが一番むっちゃんの為になるのかな。

弥生

今度は、こっちの二人だけど…

弥生

うーん、ラブってむずかしぃ……

音が落ち着いたイヤホンを再び耳から外して、引き出しからノートを出す。
これがどういう風に活用されるかまだわからない。
活用されない方がいいに決まっている。
ノートを眺めながら、深いため息をついた。

三村

はぁ…
らぶってむずかしぃ…

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