誌空(しそら)

それじゃあさっさと始めないわよ

輪菜(りんな)

逆ですね、誌空さん……


 全ての準備が整った誌空がラジオ開始の合図をし、それに輪菜が突っ込みを入れた。
 しかしそのままラジオを始めようとしたその時である。放送室に乱入してくる人物が居た。

???

待って下さーい!


 ドアを開ける大きな音がして流石の流星メンバー達も驚いて入って来た少女を見た。

凜(りん)

ええっと誰?

 凜が尋ねると息を整えながら彼女は答える。

???

私は文学少女。藤花詩空さんの使者です

流星達

はぁ!?

 流星メンバー達の怪訝そうな声が揃った。
 それと同じタイミングで呆れたようにしながら少年が入ってくる。

???

先輩、それで伝わると思っていたんですか?

文学少女

あ、文学少年君!
説明してくれるの?

???

まぁ僕で良ければ。
初めまして皆さん。文学少年です。本名は別にあるんですが、ちょっと私情から明かせませんので……すみません


 彼は謝った後、少し時間を空け、再び口を開く。

文学少年

まず僕と彼女が何か……という話ですが、この世界の創造主であり、別の世界を生きている人の使いです。短く言えばこの世界ともう一つの世界を繋ぐ者


 彼がそう告げた瞬間誌空が叫んだ。

誌空(しそら)

その厨二病設定最高じゃないわ!

静垢(しずく)

流石しーちゃん、安定の反対言葉だね!


 次いで静垢が突っ込みつつ瞳をキラキラさせている。

雲香(くもか)

で、その文学少女と文学少年が何の用?


 そう言ったのは怪訝そうな表情の雲香だ。
 答えたのは文学少女の方だった。

文学少女

藤花さん……この世界の創造主さんから伝言とデータを預かって来たんです


 次いで文学少年も言う。

文学少年

彼女自身が開始の合図をしておきたかったんですって

 言いながら彼がマイク付近のPCを起動させ、USBを挿せば映像が保存されているのがわかった。

麗華(れいか)

ラジオの前にこれを再生したいって事っすか?


 尋ねたのは麗華だ。
 同時に風花がPC画面に近付いた。

風花(ふうか)

これがその映像なんだね

文学少女

そう!その通り


 嬉しそうに文学少女が笑った。

文学少年

再生するとラジオ開始の合図になると思いますから、タイミングに気を付けて、お願いしますね


 そう言ったのは文学少年だ。

並(なみ)

それじゃあお姉ちゃんにPCに近付いて貰って、そこからだね


 言いながら並は誌空が動きやすいよう身体をずらす。
 すると誌空がPC前にスタンバイした。

誌空(しそら)

ワタシは準備OKじゃないけど、皆は?

縷紅(るく)

誌空、それ逆だね。うちは大丈夫


 突っ込みながら縷紅が言った。
 それに続くように流星メンバー達が返事をしていく。

並(なみ)

あたしもOK

輪菜(りんな)

わっしも大丈夫です

風花(ふうか)

ボクは大丈夫

麗華(れいか)

私も問題無いっす

静垢(しずく)

わたしも大丈夫だよ~

凜(りん)

アタシもOK

雲香(くもか)

ウチも大丈夫


 八名が返事をしたのを確認し、誌空が号令をかける。

誌空(しそら)

それじゃあ行くよ!


 そうしてDVD再生のボタンを押した。
 すると画面に黒髪美少女に見える人物が映る。

藤花詩空(とうかしそら)

皆さんこんにちは!
自称物書き・ぼっちソロ充オタクを黒髪美少女に脳内変換した藤花詩空です♪
これから自分の小説の登場人物が自分の指示の許、ラジオをやってくれます!夜露死苦ぅ!……あれ?何か間違えた?ま、良いか。それではSTART☆

第1回 放送開始

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