そこには何も無かった。
いや、
この言い方は間違っているね。
そこには何も無かった。
いや、
この言い方は間違っているね。
そこは元々、
何も無い世界だったんだ。
タイトル
『一つの意識が
創ったお話。』
ビッグバンでこの世が誕生したって話。
一体どれくらいの人が知っていて、
どれくらいの人が信じているのだろう。
実際には誰も見ていないのだから、
知るはずもないのだけれど。
やあ、こんにちは。
さっそく自己紹介したいのだけれど、
生憎、自分には名前がないんだ。
ん-、とりあえずは……
『ビッグ バン太郎』
とでも呼んでくれ!
変な始まり方で非常に申しわけないね。
自分は『第四の壁』を破れるんだ。
簡単に説明すると、
このお話を見ている人がいることを、
自分は知っている。
だからこうやって語りかけているのさ。
この世界では、ビッグバンが起きたばかりだから。
何でもありってわけ。
よく分からないよって人がいたら申し訳ないね。
そこは感覚で理解してほしい。
そしてもうすぐ、
この世の全てが形成される。
そうなると自分には
『容姿』『感情』『性別』
といった、あらゆる物が少しずつ形成されて、
自然にこの『力』も消滅する。
だから、
自分……
アタシの…………
ちょっとだけ、
アタシの話に付き合ってほしいんだ……
次話 『宇宙』