・・・・・
……し、しまった…!
今は無燈くんに
会いづらい…!
……?
助かった。
誰かいるのか?
ま、まずい…!
隠れないと…!
手伝って欲しいことが――
これで気付かれない…!
大丈夫!
………
………
………
違和感の塊がある…
これ、どうやって
反応すればいいんだろう…
や、やぁ!
その声は加糖さん…?
か、加糖さんって誰のことかな?
……そこで、誤魔化すのか?
バレてる
この作戦は
完璧なのに
加糖さんが
分からない
こんな変装で本人じゃないと
思わせる人なんていないだろうし…
←こんな変装で本人じゃないと
思わせようとしてる人
も、もう自棄だ…!
わっ、
わ?
我は森の精なり
加糖さんどうした
森の……せい……なり…ぃ…
見なかったフリぐらいするぞ?
それで…
?
それで
お願いします!
良かった…
そこ!図書室では静かに――
……木?
すみません。
写生してました。
苦しすぎる言い訳だ
あ、ああ…。
あと、ここら辺から
騒ぎ声が聞こえたんだが――
――!
?
ああ。吹奏楽の一部のパートが、
この近くで自主練してましたね。
確かに、そんな時間だな
じゃあ、
お前も戸締りしっかりしろよ
はい。
この木を片付けたら帰りますので
もう先生、行きました?
――――――
…………
えっ、人…
えっ
此処までしか考えてないぞ…?
こうなったら、
夢でしたと思わせる程、
奇怪な行動を取れば、何とかなるか…?
で、お前は確か――
ええ、えっとワタシ、
日本語ワカラナイデース
名前は?
ナマエは、ナマエは、
ネーム、イズ、
マイネーム、マイク…
せめて、
女性名にしろよ
あ、あの!
彼女はニホンに来て、
まだ日が浅いので…!
え?
無燈知ってるのか?
はい
ご紹介します
彼女、
木の精です!
もう「夢でした」で
乗り切るしか…
えっ、ええ…?
ごめん、加糖さん
がんばれ
初めまして!
木の精です!
は?
ごめん、加糖さん
頑張り方が間違ってる
もうこの路線で行くしかない…
ちなみに、
母国語は英語です
イエース!イエス!
気が付いたら、
良く分からない極地に
辿り着いてしまった
酷いことになった
まあ、いっか
ああ、分かった
これ、元々夢なんだ…
二人して悟った顔し始めた。
とりあえず、
そっとしておこう…