ぎ、銀河!?何で・・・・・・

 現れたのはまさかの銀河だった。
 青い浴衣に身を包んだ彼が私に絡んで来ていた相手を睨んでいる。

酔っ払い男性

何だ御前

大神銀河(おおかみぎんが)

それはこちらの台詞だ。
我の物に手を出そうとは・・・身の程知らずめが

 そう言う銀河の表情は見た事の無い位険しく、今にも喧嘩になりそうな空気に慌ててその腕を引いた。

ま、待って銀河。もう良いから

大神銀河(おおかみぎんが)

プロデューサー・・・でも

大丈夫!
ほら、何にもされてないし!!

 慌てて返せば絡んで来ていた相手は興味を無くしたように言う。

酔っ払い男性

待ち合わせって・・・彼氏かよ。ちっ

 そう言って去っていった姿にホッとする。

びっくりした・・・・・・

 思わず息を吐けば心配そうな声がした。

大神銀河(おおかみぎんが)

プロデューサー、本当に大丈夫か?

うん、大丈夫だよ。銀河が助けてくれたし・・・・・・

大神銀河(おおかみぎんが)

すまない・・・我がもう少し早く来ていれば・・・・・・

 落ち込んだようなその表情が久し振りで、何だかホッとする。

また悪い癖出てるなぁ・・・・・・

 真面目で責任感が強い性格のせいか、銀河は意外と落ち込みやすい。
 何かがある度に自分を責めてしまうからだ。

もう・・・しょうがないんだから

 そんな姿に思わず苦笑し、銀河の背を叩く。

大丈夫だって言ってるんだから引き摺(ず)らない。
花火大会始まっちゃうでしょ?

大神銀河(おおかみぎんが)

プロデューサー・・・・・・

 未だ暗い表情の銀河に今度は手を差し出す。

もっと花火が良く見える場所知ってる?連れてって欲しいな。ね?

 言いながら笑えばやっと銀河の表情が明るくなった。

大神銀河(おおかみぎんが)

そうだな・・・任せておけ

 銀河に手を引かれながら歩けば人気の無い場所に着く。
 目の前には大きな海が広がっており、潮風が心地良かった。

大神銀河(おおかみぎんが)

ここは穴場なのだ。
近くて良く見えるのだが・・・入り口からは離れているから人が寄り付かない

そうなんだ。それは楽しみだな

大神銀河(おおかみぎんが)

それは我も同じだ。まさか今日救世主と過ごせるとは・・・夢にも思わなかった。
父上が貴様を連れて来たと知った時は心臓が止まるかと思う程喜んだものだ

大げさだな・・・でもありがとう。そう思ってくれて嬉しいよ

 銀河の言葉に少し照れてしまいながら笑う。
 それから思った。

・・・やっぱり彩羽さんの計らいだったんだな、銀河と会えたのは。それなら花火大会も・・・目一杯楽しまないとだね

大神銀河(おおかみぎんが)

貴様が笑ってくれると浴衣姿が映えるな・・・とても良く似合っている

ふふ、ありがとう。銀河も素敵だよ。
ライブとは違う浴衣だよね、それ?

 ライブの時は黒の浴衣を着ていたが、今彼が着ている浴衣は明るい青だ。

大神銀河(おおかみぎんが)

ああ。父上が用意してくれていたようでな・・・これに着替えていたら遅くなったのだ

 その言葉に思わず微笑みながら・・・銀河の姿を見つめる。
 明るく優しい浴衣の色が・・・彼の本来の性格に合っている気がした。

そうだったんだ。
でもやっぱ銀河は青が似合うね

 思わずそんな言葉が出る。
 アイドルのキャラ的に銀河は黒が多いけれど・・・明るい青の方が彼らしいと私は思っていた。

大神銀河(おおかみぎんが)

プロデューサーは・・・青は好きか?

 尋ねてくる彼に笑顔で頷く。

うん、勿論好きだよ。
銀河と出会ってから・・・もっと好きになったかも


 小さな呟きが花火の音に掻き消される。
 丁度青く大きな花が・・・夜空に咲いていた。

わ、凄い!こんな大きく見えるんだ・・・・・・

 思わず感動してつい燥(はしゃ)いでしまう。
 次いで咲いた花は白く、それも又綺麗だった。

大神銀河(おおかみぎんが)

白は・・・救世主の色だな

 驚いて見れば銀河が微笑んでいた。

大神銀河(おおかみぎんが)

まっさらで清らかな心を持つ・・・プロデューサーに相応しい色だ

そうかな・・・そう言われると何だか照れ臭いよ

 照れながらも嬉しくて笑い返した時、次の花火が上がった。

綺麗だね・・・・・・

大神銀河(おおかみぎんが)

ああ・・・・・・

 呟きながら黙って花火を見つめる。
 繰り返し開く光の花が穏やかに私達を見守ってくれているような気がした。

『Fratello』【大神銀河誕生日番外編5/6】花火大会での誓い5

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