よっし出来た!

 言いながら笑みを浮かべる。
 目の前には砂山があり、頂上に拾った棒を立ててあった。

小野寺蓮(おのでられん)

これは何だ?

砂山崩しってゲームの準備だよ!
順番に砂山を崩していって頂上の棒を倒した方が負けってゲーム

 説明をしてみても蓮は余り気乗りしなさそうだった。

小野寺蓮(おのでられん)

随分地味だな

 それを見て更に説明を試みる。

馬鹿にしたら駄目だよ!結構熱くなるんだから。
負けたら罰ゲームで、勝った人の言う事を聞くの!

 それを聞いた蓮は不適な笑みを浮かべた。

小野寺蓮(おのでられん)

成程そう言う事か。何でも聞かせられるんだな

う、うん!勿論だよ

 何だか緊張してしまいながらもやる気になってくれた事にホッとする。

じゃあ説明がてら私からやるね!見てて

 言いながら蓮の注意が向くのを待ち、それから山に手を掛ける。

最初だから少な目で・・・・・・

 流石に棒は倒れない。
 それにホッとして蓮に笑い掛ける。

簡単でしょ?

小野寺蓮(おのでられん)

ああ。んじゃ次は俺の番か

 先程とは打って変わってやる気が見える蓮の表情に嬉しくなる。

折角の海。楽しんで貰いたいもんね

 そう思いながら視線を向ければ不敵な笑みを浮かべた彼はかなりの量を崩す。

小野寺蓮(おのでられん)

・・・まぁこんなもんだろ

うわ!そんなに行く!?

小野寺蓮(おのでられん)

最初だからな。
崩す量に規定がねぇなら良いだろ

うう・・・そうだけど

流石蓮!・・・初めてだからって侮れない

絶対負けないからね!

 思わず言いながら私も砂山に手を掛けた。

うう・・・又負けた

 あれから数回砂山崩しは続けたけれど、全て私の負けだった。

小野寺蓮(おのでられん)

勝負事でこの俺様に勝とうなんざ100年早ぇんだよ

 そう言って笑っている蓮の姿が悔しい。

もう1回!もう1回やろ!

小野寺蓮(おのでられん)

そう言って何回目だよ

ううっ今度こそ勝つから。絶対に!

小野寺蓮(おのでられん)

それ数分前にも聞いたぞ

うぅでも・・・私の方が慣れてるのにぃ!

小野寺蓮(おのでられん)

ったく・・・じゃあもう1回だけな。
今度俺が勝ったら海で泳ぐ

うん、わかった!

絶対負けない!

 強い決意の許、再び砂山崩しを始める。
 だけど結果は変わらず、私の惨敗だった。

小野寺蓮(おのでられん)

ほら、俺の勝ちだ。泳ぎ行くぞ

うう・・・悔しいけどわかった

 私が頷くと蓮は上着を脱ぎ捨てる。
 それを見て私は思わず感嘆してしまった。

わ、凄い筋肉

 鍛えている彼らしく無駄なく筋肉の付いた身体だ。

これだからあの綺麗な舞が踊れるんだろうな

 思わず見入れば蓮は不思議そうな表情をする。

小野寺蓮(おのでられん)

・・・んだよ。アンタは水着にならねぇのか?

・・・え!?
あ、そ、そうだよね!

 慌てて返し、上着のボタンに手を掛けるが・・・外す前に手が止まってしまった。

い、今更だけど・・・恥ずかしい

 彼の前で水着になる事自体が初めてなのもあり、躊躇っていた。

蓮の好きそうなのを選んだけど・・・変だったらどうしよう

 考え出すと気になってしまう。
 そのせいで数分経ってしまった。

小野寺蓮(おのでられん)

おい、プロデューサー?

 流石に蓮が怪訝そうに言う。

へ!?

小野寺蓮(おのでられん)

どうかしたのか?
水着着てきてるんだよな

えっう、うーんと・・・・・・

 しどろもどろになりながら頬が熱くなって来るのを感じる。
 それでも私の言葉を待つ蓮の様子に漸く観念して素直に話す事にした。

その・・・着て来たは来たんだけど、恥ずかしくて・・・・・・

 消え入りそうな声で言えば蓮は溜息混じりに言った。

小野寺蓮(おのでられん)

何だそう言う事か・・・そんなら別に無理しなくて良い。
そのままでも泳げねぇ事は無いしな

う、うん・・・・・・

 結局それに頷くとそのまま手を引かれた。

小野寺蓮(おのでられん)

そのままで良いからこっち来い。行くぞ

小野寺蓮(おのでられん)

1人で泳ぎ行っても楽しくねぇだろ。
付き合え

わ、ま、待って

 手を引かれるままに付いて行く。もう海は目の前だった。

『Fratello』【小野寺蓮誕生日番外編】熱い夏3

facebook twitter
pagetop