作業に追われる日々を過ごし、遂に22日になる。
 旅館で朝を迎えた私は身支度を整えながらも気が重かった。

結局蓮へのプレゼント・・・何にも決まらなかった・・・・・・

 自己管理に厳しく拘りの強い彼へのプレゼントは考えれば考える程浮かばなくなっていった。

うう・・・どうしよう

 蓮は朝から迎えにくる。考えている時間ももう無かった。

こ、こうなったら・・・本人に訊こう!

 結局そう思う事にして髪型や服装を念入りに整える。

水着は下に着たし髪型とかもアレンジして・・・・・・良し。これで良いかな?

 鏡と睨めっこをしながら微調整を繰り返す。
 そうしている内に時間が経ち、ノック音と同時に蓮の声がする。

小野寺蓮(おのでられん)

プロデューサー、そろそろ時間だぞ

え!?あっ!ご、ごめん。
すぐ行くからちょっと待ってて

 それに慌てて荷物を持ち、廊下に出る。

小野寺蓮(おのでられん)

俺を待たせるとは良い度胸だな

ごめん。ちょっと準備に手間取っちゃって・・・・・・

 慌てて謝るけれど、蓮はそんなに気にしている様子でも無かった。

小野寺蓮(おのでられん)

・・・まぁ何時もと違うアンタが見れたから許してやる

小野寺蓮(おのでられん)

・・・たまには良いな。そういうアンタの姿も

 そう言っている頬が少し赤い。

・・・こういう時は素直に似合ってるとか言って欲しいんだけど

 小さく呟くように言えば何時もの笑みで彼は返してくる。

小野寺蓮(おのでられん)

それなら今日一日俺を楽しませろ。
そしたら望み通り言ってやる

望む所だよ!

 思わず勢い良く返す。
 そんな私に彼は穏やかに笑って言った。

小野寺蓮(おのでられん)

そういうのがアンタらしい。
俺の女の自覚を持って・・・しっかり働けよ

 サラリと言われたその言葉に思わず照れてしまったのは・・・少しだけ悔しかった。

 旅館は海に程近い場所にある。20分程歩けば到着だ。
 敢えて早朝にしたのが功を奏したようで、人通りはそんなに無かった。サーファーが数人海に出ている位だ。
 透き通った水が朝日に照らされて輝いている。

海すっごく綺麗だね!

 思わずはしゃいでしまえば蓮が苦笑する。

小野寺蓮(おのでられん)

アンタがそんなにはしゃぐとはな

う・・・ひ、久し振りだから!

 彼の表情に何だか恥ずかしくなってきて、言い訳のような言葉が口から出た。

れ、蓮は・・・海って良く来るの?

 慌てたように話題を変えれば彼は少し考えるようにして、それから答えた。

小野寺蓮(おのでられん)

仕事で来る以外は特にねぇな。
海に行くような家族でもねぇし、近くでも無きゃ1人じゃ行かねぇだろ

 その言葉が何だか寂しく思える。

そ、そっか

確かに蓮の家族はこういう所に来るような人達じゃないし、近くに海なんて無いもんね・・・・・・

小野寺蓮(おのでられん)

アンタはどうなんだ?
誰かと来たりしてたのか

あ、うん。
私は実家が海の近くだったから家族で行った事もあるし、学校の友達と行ったり、1人で散歩する時のコースだったりしたよ

 私の言葉に蓮は楽しそうに笑った。

小野寺蓮(おのでられん)

っつー事は海の遊びに詳しいんだろ?
俺を楽しませてみろよ

 その言い方に思わずムッとする。

良いよ、任せて!

 勢い良く返し、海の遊びを思い浮かべる。

絶対に楽しませるからね!

『Fratello』【小野寺蓮誕生日番外編】熱い夏2

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