……え、なんだよ…?

此処はどこなんだよ?

……いずれ、気付きます

これ、なにが書いてあるんだ?

……言えません

ま、いっか
開ければ――

なりません

えっ

………いや、です…

………

でも、進んで下さいな

な、んだよ、それ…

ドアがある、
黒いだけの世界

ピアノの音だけが鳴っている…

なんだよ、これ…

何かが、
此方に近づいてる…?

う、うわあああああああああ!!!

小さなイヤリング、落としたよ?

お嬢さん、ちょっと

開けて、ねぇ、開けて

嫌だ……ッ、来るな…!

なんで、僕は、
ねぇ、お嬢さん

聞いて

やめてくれ…!

お嬢さん、泣いてるの?

煩い!黙れ…!

此処は――

どこ……だよ…?

……っ、

七発入る銃で、
残り一発余ってる…?

あいつを、
撃てって言いたいのか…?

……

ねぇ、お嬢さん

君の唄声が、聞きたかったな…

でも、お嬢さんの声に似てるけど、
とても、低くなった…?

黙れ…!!

お前が、お前が、
娘を食べようとしたんだろう…!?

違うよ…?
あれ、お嬢さんじゃない?

助けようと思ったのに――

その弾は、娘の心臓を抉った

俺が、殺したんだ

もう……

何処にも、いないんだよ…!

そっか

なんで、
お前が泣くんだよ…?

僕は、

……僕らは、
歌ってただけだったのに

僕、だいじょうぶだよって
手紙をもらったんだ

あの子に、

なんだ、この紙…

……これ…は…

同じだ…

君も、
読んで欲しいんだ

お父さんへ

ずっと、ずっと、私のことで
泣いてることを知りました。

熊さんも、ずっとずっと、
私を探していることに気付きました

私ね、本当に歌ってただけなんだよ

でもね、そうやって言うと傷付けてしまうかなって
間違えたことをして、

それで殺してしまった私について
ずっと悔やみ続けるのかなって思って

ずっと、ずっと怖くて言えなかったんだ

それに、
熊さんも、お父さんも大事な人。

だから、二人がお互いに傷つけあうのも嫌なの

歌を教えてくれたお父さんと、
歌を一緒に歌ってくれた熊さん。


どうか、二人が大好きだったこと。
忘れないで。

………ッ

ごめん……ごめんな…っ!

こんなんで、良かったかな?

ええ、お父様の感情も
確認できました。

レライエの魔弾が仕込んである銃だろ?
えげつないことをしてるね

……私が、お父様を
許せるとでも?

僕も、誤作動だとしても
大事なお嬢様を殺されては困るよね

……本当は、
七発目を撃てばよかったのに

おい、何言ってるんだよ

もっと、近くで、
歌が歌えますもの

もう、本当にお父様に執着し過ぎて
熊は焼いてしまうよ

お父様が、
私を覚えてて下さる限り、
私は、ずっとお父様の元へ行きます

惚れた弱みだからね、
お嬢さんの仰せのままに

でも、そんなことより

手伝ったんだ
お礼に、歌を歌ってよ

僕、君の歌声が
ずっとずっと聞きたかったんだ

ええ、
一緒に歌いましょう

「告白」を聞く為に

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